No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年11月4日 西麻布 けんしろう


夜の西麻布。
業界人やスポーツ選手、シャレオツな人々が歩く煌びやかな街に、これまたシャレオツな焼肉屋がオープンした。
隠れ家的な入り口に、店内は全て個室。
そして店員さんも美人。
アラカルトもあるが、コースがオススメということで『赤身焼肉膳コース』をお願いしてみた。
すり流し
先付として紅あずまのすり流し。

ムンチュサラダ

刺身
“けんしろう”では脱法生肉ではなく、保健所の許可を得た合法生肉を食べることができる。
内容は日によって変わるようだが、この日はクリの刺身、クリのユッケ、そして炙りサーロインの握り。

タン
この日は“けんしろう”がウリにしているスノーエイジングではなく、一般的な冷蔵庫で寝かせたタンで、これでもかと分厚くカットされた極上のタン元。
表面には格子状にかなり細かな隠し包丁が入る。



塊肉のけんしろう焼き
佐賀牛シャトーブリアンを低温調理し、その後に鉄板で軽く焼き色を付け、瞬間燻製で香りが付けられている。
最後は黒トリュフが削られる。






サーロイン
薄切りのサーロイン2枚で泡醤油をサンド。
サーロインがあっさりとしていて、泡醤油との相性が良い。



カイノミ
際立って肉の味がしっかりとしていて、見た目ほど塩胡椒を強く感じない。
柚子胡椒との相性も良く、非常に旨い。


キノコの酢の物

ビフカツ
贅沢なハラミカツ。
驚いたのが揚げ加減で、衣はしっかりと強めに揚がっているのだが、中のハラミは見事なレア。

尾の身
テールの根元の部分。
店主が筋の甘みを引き出すようにじっくりと丁寧に焼いてくれる。
クオリティの高い素材、素材の良さを引き出す塩胡椒と焼き加減、それらが完璧にマッチングしていて、この日食べた中では断トツでNo.1。
テールと言って侮るなかれ。



ササミ
脂がかなり強い。
専用のツケダレで。



ハラミ
程よいサシのハラミをしっかりとモミダレで揉み込んである。
こちらはまた別の専用ツケダレで。



サーロインの焼きすき
大判のサーロインを丸々1枚焼いてから、黄身と一口ご飯と一緒に。



テールスープ


栗ご飯

鯛焼き(あんこ無し)とアイスクリーム



正肉は尾崎牛を中心に揃えているようで、この日もシャトーブリアン以外は生肉も含めて全て尾崎牛。
あくまでもこの日の個体に限って言えば、カイノミ以外は肉の味がボンヤリとしていたので、雌の上物を食べ慣れたマニアには少し物足りないかもしれない。
一方、店主が芝浦の内臓屋に特殊なルートを持っている内臓は強く感じる。
寝かせてない状態でも食べてみたかったが、タンも良かったであろうし、テールは本当に旨かった。
味付けに関しては、この日の塩胡椒は私には強めで、たまり醤油ベースのモミダレも濃すぎる印象。
ただし、この辺りはお客さんの意見を聞きながら試行錯誤しているようで、今後はどんどん改善していくだろう。
まだオープンして3か月ほどとのことだが、店主を含めスタッフ全員が研究熱心なので、これからちょこちょこ名前を聞くようになりそうだ。