No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年12月5日 都内某鉄板焼店

入会費ウン百万円、年会費ウン十万円という、私のような庶民とは無縁の某会員制クラブにある鉄板焼きでミーティング。
某元総理大臣を招待する食事会で提供するハンバーグの試食と、本番で使用する牛肉の調達を仰せつかったのだ。
都内を一望できる高層階からの景色は素晴らしく、私が♀なら連れてきてくれた♂にうっかり身を委ねてしまったかもしれない。
今回で7回目か8回目の試作品というハンバーグは、何と川岸さんのシャトーブリアンを挽いて作ったというバチ当たりな贅沢品。


ヒレのど真ん中をこよなく愛したことからその部位の名前の由来となった、フランスの作家でもあり政治家でもあったフランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンもこのハンバーグには腰を抜かすかもしれない。
素材が繊細な食感なので、1度挽きで驚くほど滑らかな口当たり。
ソースをつけずに食べれば上品でありながら骨太な肉の味が広がるのだが、牛筋を煮込んで作ったソースもよく合う。


予算を完全に無視した領域の贅沢とは何とも恐ろしい物だと実感。
しかしそれに見合った味わいを作り出すシェフは流石。
熟考と交渉の末、本番で使用する牛肉は確保できた。
唯一の心残りは本番のハンバーグを食べることが出来ないこと。
さすがに某元総理大臣と一緒に食べたい、とは言えないですな。