No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2008年2月1日 炭焼喰人

肉が食べたい。
誰でもそんな衝動に駆られたことがあるはずだ。
明け方仕事の締め切り日の午前3時頃、机に向かいながら耐えられない衝動に駆られた。
職場付近の牛の蔵は午前3時までだった。
残念、間に合わない。
肉を欲している身体をなだめながら、なんとか帰りのタクシーに乗り込んだ頃には時計の針は5時をさしていた。
家で仮眠を2時間ほどとり電車で会社に向かった。
締め切りの資料を提出して、ここ数日のプレッシャーと睡眠不足でどっと疲れを感じたが、それ以上に肉が食いたくて仕方なかった。
この日も肉は食えなかった。
男にはどうしてもはずせない用もあるのだ。
しかし、人はそんなに肉を食わないで我慢できるものではない。
それは分かっていた。
だから今日は我慢できなかった。
予約してしまったのだ。
先日厚切り上ハラミが食べれなかった炭焼喰人を。
ちなみに狙いのMeatは電話で確保しておいた。
机に置かれた厚切り上ハラミを見た瞬間、手はトングを握り締めていた。
見事な美しさである。
そう、美味しいMeatは美しいのだ。

厚切りであるが故につい焼き過ぎてしまう人もいるかもしれないが、焼き過ぎには注意してもらいたい。
表面をほどよく焼き固め肉汁を閉じ込めて、口に頬張り噛み締めると、これぞハラミという旨みが口中に広がった。
噛み締めれば噛み締めるほど、肉の繊維から旨みいっぱいの肉汁が溢れてくる。
旨い。
勿論、相変わらずハラミ以外のMeatも旨かった。
今巷の焼肉屋では、希少部位がもてはやされている。
この店の通常にメニューには希少部位という分け方はしておらず、カルビ・ロースなどとして提供しているが、紙に書かれたその日のお勧めには数は少ないがちゃんと希少部位の名前が載っている。
自分の好きな部位を食べるには通い詰めるしかないようである。
待ってろよ、サブトン・ミスジ