No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2008年3月23日 炭焼喰人

衝撃の体験をした。
これは伝えなくてはいけないだろう。
今日は帰りの高速が渋滞していたので、いつもと違ったルートで帰ってきた。
いつもと違う高速出口から自宅までの道には炭焼喰人があるので、思わず携帯からお店に電話をしてしまった。
今日はついてる、席が確保できた。
予定外の焼肉でカメラを持っていなかったがここは仕方ない、何よりもまずは肉が大事だから。
駐車場に車を止めながら、気分は厚切り肉の事でいっぱいだった。
携帯のカメラを起動させ、ユッケを食べながら肉の到着を待つ。
それにしても炭焼喰人のユッケは旨い。
ユッケのタレはひゃら亭より薄味なのだが、これがまたいい。
肉の旨みがよく分かるのだ。
タレの甘さでなく肉の甘さが際立っている。
上タンを頼む際に厚切りにできるか店員さんにうかがったが、厚切りはないとのことなので、薄切りで注文した。
運ばれてきた上タンは綺麗なピンク色をしていた。
サッと焼いて頬張ると、非常にジューシー。
薄切りでこれである、厚切りで食べてみたい一品である。
オススメの宮城県産の雌の上ロースの蕩ける脂と赤身の旨みにテンションが上がる。
この上ロースは熟成具合が絶妙で、柔らかさ・旨み共に申し分なし。
厚切り上ハラミは1人前3切れから2切れになっていた。
しかし、厚みは更に増している。
ここまで厚切りのハラミは正直食べたことがない。
塊のまま旨みを閉じ込め、余熱で中まで火入れをし、ハサミで切り分けた。
犬歯で喰いちぎる様に噛み付き、奥歯で噛み締めると肉繊維から旨みが溢れ出す。
柔らかいだけのハラミでなく、野生的な荒々しさを感じるハラミが好きだという人にはぜひ味わって欲しいハラミである。
この時点で今日の炭焼喰人に感服していたのだが、まだ終わりではなかった。
最初に店員さんに無いとうかがった厚切りのタンを店長が持ってきてくれたのだ。
正直最初はタンだとは分からなかった。
恐ろしく厚切りで白かったからだ。
上のねぎを落とすと、とんでもないタンが姿を現した。
厚さはゆうに2センチを超えている。
しかも脂が十分のっているのが分かる。
このタンの焼きには細心の注意を払った。
表面を焦がさず、中まで十分に火入れをしなくてはいけないのだ。
火入れの失敗で台無しになったタンを何回も見てきた。
こんな極上タンを台無しにしては、焼き手失格である。
それにしても、簡単に側面で網に立ってしまうタンは初めてである。
綺麗な焼き色が付いたタンにハサミをいれると、中は綺麗なピンクで絶妙な火入れが確認できた。
焼き手としての責任を無事果たすことができホッとした。
恐ろしく厚いタンはサクッと噛み切れ、一噛み一噛み毎にジュワーと肉汁を出している。
こんな歯ごたえのタンは今までの焼き生活でも初めて。
ここまでの厚さでこの柔らかさ、そして旨み。
衝撃のタンに出くわした。

このタンを超えるタンは存在するのだろうか。
いや、この衝撃のタンを次回も食べることができるのだろうか。
興奮せずにはいられない。