No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2008年4月8日 ひゃら亭

私用があって会社を休んだ。
3時頃には用事も終わったので当然焼くことに。
しかし、問題があった。
今日は火曜日なのだ。
土日は肉の問屋が休みなので、月曜や火曜が定休日の焼肉屋が多い気がする。
炭焼喰人は定休日だった、残念。
土日はなかなか席の確保が難しいひゃら亭で焼くことにした、ちなみにひゃら亭の定休日は月曜。
開店時間の5時にお店に着くと、先客は2組のみ。
予約客で席がないかもしれないので、まだ安心はできない。
店員に確認すると席は取れた。
やっぱり平日焼きは最高だ。
注文していきなり席に運ばれてきたのは久しぶりに注文したヒレだ。
ひゃら亭定番のユッケとミノ刺しから始めたいので、しばし眺めるだけにした。
それにしても、黒毛和牛のサシは芸術である。
皿に並べられたヒレが見事な置物として成立している。
待ちに待ったひゃら亭のユッケは本当に旨い。
細かくカットされても尚見事なサシと赤身のコントラスト。
一人一皿食べたい一品である。

今回残念だったのはミノ刺し。
いつもと比べて艶がなく、鮮度が悪い。
520円で味わえる至福、ひゃら亭のミノ刺しの次回までの復活を切に願う。
やっとヒレの出番である。
厚切りのヒレの表面を軽く焼き固め、すぐさま口に放り込む。
奥歯で噛むと、柔らかな赤身が微かな抵抗をしてほどけていく。
極上の一品とまではいかないが、神奈川で気楽に食べられる貴重なヒレだ。

今回はヒレと共に久しぶりに頼んだ一品が熟成タン。
幻のタンと同じ部分を熟成させたものだ。
ひゃら亭のタンは、私に本当に旨いタンを教えてくれた思い入れがある。
熟成期間を長くし過ぎたのかどうか、他に何か変えたのか不明であるが、いつの頃からか熟成タンは旨み・ジューシーさが減った。
以前は幻のタンより熟成タンが好きだった私も、だんだんと幻のタンしか頼まなくなっていった。
そんな中、久しぶりに熟成タンを頼んでみたのだ。
久しぶりに見る熟成タンは若干薄くなっていて、幻のタンとほぼ同じ厚さになっていた。
食べてみると、確かに旨いが絶賛するほどではない。
次に食べた幻のタンの旨みには到底かなわない。
幻のタンよりも手を加えてる分、更なる向上を願わずにはいられない。

今回の幻のタンは相変わらずの旨さ。
禁断の1枚焼きで表面を焼き、火を通し過ぎないように最新の注意を払う。

厚切りのタンはウェルダン位が旨いが、幻のタンはウェルダンでは火が通りすぎだ。
あの溢れる旨みを100%味わえない。
タレ系では、上ロースも相変わらず旨かったが、やはり究極のハラミが一番旨かった。
包丁で仕事のしてある塊を炙ってハサミで切り分ける。
中は赤いのだが、柔らかいその身からはジューシーな旨みが溢れ出てくる。
荒々しさではなく、ジューシーさで勝負するハラミの中では抜群のハラミだ。
普段焼肉屋で肉以外はライス、たまに+冷麺位しか頼まないのだが、今回はチヂミやサラダなども注文した。
ちなみにひゃら亭サラダはにんにく風味のドレッシングが美味しいのだ。
今回ひゃら亭で焼いて思ったのは、確かに旨いお店ではあるが、今の焼肉屋さんのレベル向上には追いついていないということである。
東京を中心に起きている希少部位戦争然り、極上な厚切りのタンを出すお店が増えたのも然り。
今のユッケ・幻のタン・究極のハラミといったひゃら亭三本柱だけでは太刀打ちできない日が来るかもしれない。
王道のカルビ・ロース系の研鑽なくして、神奈川焼肉会の殿堂入りもないだろう。
今まで地元の中では間違いなくNo1であったが、炭焼喰人も隣の駅に移転してきたし、今月たまプラーザに気になるお店もオープンする。
ライバル店との切磋琢磨に期待したい。