No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2008年8月4日 くにもと 本店

正泰苑を欲求不満のまま立ち去ったわけだが、どうにも気持ちが落ち着かない。
帰りの浜松町の駅を通り過ぎて向かった先はくにもとだった。
実はくにもとも数年ぶりの訪問だ。
お任せの内容はこんな感じ。
塩系
 上肩ロース(のざき牛)
 上ハラミ(岩手県産)
タレ系
 ヒレササミ(鹿児島県産)
 上肩ロース(のざき牛)
 トモサンカク(北海道産)

まず塩味の上肩ロースを一口食べてテンションが一気に上がった。
甘みというか風味が素晴らしい。

上ハラミは噛み締めると肉繊維がほぐれて、ハラミ独特の荒々しい旨みが溢れてくる。

ヒレササミは初めて食べたが、お肉の味が非常に濃くて、見た目からは想像もできない柔らかさと旨みを持っている。

タレの上肩ロースは塩味とはまた違った感じだが、こちらも塩味に負けず劣らず旨い。

お任せの最後は大きなトモサンカク。
こちらも一瞬で蕩けるとまではいかないが、甘みが強くて非常に旨い。

2軒目とはいえ、お任せ肉がどれも旨くてテンションが上がってしまったので、若干の追加が必要となった。
ヒレミスジが気になったが、今回はミスジを選択。
しかも、このミスジは1枚(1人につき1枚)が約50gの大振りである。
わさびを多めにつけて、大判ミスジを丸めると脂が滴っている。
このミスジも旨い。
ただ、普段食べている(?)ミスジと比べて、ここのミスジはすごいかと言うと、正直そこまではいかないだろう。

それにしても、この数年ぶりのくにもと訪問でかなり印象が変わってしまった。
こんなに旨かったっけというのが、正直な感想である。
まず、熟成やお肉のカットといった仕事が他のお店のレベルとは全く違うだろう。
タレの味も含めて、他のお店には真似できない職人の技を非常に感じる。
お店が購入したお肉の質だけならここ以上のお店もいっぱいあるだろうが、そのお肉の旨さを引き出す技はスタミナ苑と並び最高峰だろう。