No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2008年8月5日 金竜山

人によく聞かれるのが、一番美味しい焼肉屋さんはどこ?という事だろう。
私が最も美味しいと思っているお店の中の一つが金竜山である。
ここでは焼肉の王道であるカルビとロースの最高峰が存在する。
今回はレバ刺しも頼まずに、いきなり上タンから。
相変わらずの綺麗なピンク色にはうっとりさせられる。
大判で薄切りのこの上タンを丸めて食べる。
薄切りとは思えないジューシーさ、全くの筋のないこの歯応え、やっぱり金竜山は最高だと再認識するのに十分な1枚である。

極上タンの脂で口が潤ったら、次はカルビの山を登る番だ。
まずは並カルビ。
久しぶりに頼んだ並カルビだが、いったいどこが並なのだろうか!?
しっかりサシも入っていて、十分旨い。
ちなみに私が並のカルビを注文するのは金竜山くらいだろう。

次は中カルビだが、ここから一気にレベルが上がる。
かなりの傾斜である。
この時点で普通のお店の特上よりも遥か高みにあるだろう。
細かなサシによる蕩け具合、脂の甘みが最高の焼肉屋さんにいることを思い出させてくれる。

だが、カルビの山はまだまだ続くのだ。
上ロースはあの中カルビを凌ぐ細かなサシ、そして美しいピンク色の姿が堪らない。
金竜山にしては若干厚切りだったが、その厚みなど何も感じない。
感じるのは脂の甘みと風味である。

それ以上のカルビは想像もつかないと考えていると、山の頂上である特上カルビが現れた。
その姿に圧巻である。
だが、その真のすごさはやはり口にして初めて分かる。
よくお肉が蕩けて噛む力が要らないなどという人がいるが、そんな人にこそこの特上カルビを食べて欲しい。
舌の上に置いておくだけでなくなってしまうこの特上カルビ。
色々なお店に行くが、やはりカルビを食べるなら金竜山が一番だと思う。
それだけは間違いない。

山の頂上は景色がいい。
隣には特上ロースも見える。
先ほどの特上カルビを思わせる細かなサシが入った特上ロース。
だが、食べると全く違った味わいだ。
恐ろしく柔らかな赤身から溢れ出す旨み、そして脂と違う赤身の上品な甘さが私を虜にする。

正肉のあとはいつも上ミノとコブクロ
どちらも旨い。
ハラミも食べたが、肉繊維が非常に太いハラミで、この荒々しさがハラミ好きには堪らないのだ。

だが、やはり金竜山の真骨頂はタン、カルビ、ロースの王道メニューだろう。
これだけで私はいつも幸せな気分になってしまう。