No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2008年9月22日 よろにく

よろにくは最近一番のお気に入りのお店であったが、前回のお任せの素晴らしさで益々虜になってしまった。
前回のような人生最高のハラミを求めて、再び南青山に向かうことに。
今回も予算を告げてお任せで、とオーナーの桑原さんにお願いしたが、今回はサイドメニューは一切無しでMeatOnlyでお願いした。
これが質・量・CP全て通常の常識を超えたコースの始まりだとは、この時は気づかなかったのだが。
まずは刺身から。
トモサンカクはねっとりとした甘みが強くて大好きな一品。
このトモサンカクを焼きで食べてみたいのだが、よろにくではブロックから切り出す段階で刺身用に柵取りしてるので難しいのだ。
それでも諦めきれない位旨いトモサンカクだ。
今回のぶつ切りユッケはザブトンの切れ端の部分。
これも甘みが強くて旨い。
センマイ刺しはいつも通り、旨い。

これで焼き開始と思ったが、でてきたのはタテバラの握り。
前回のタテバラ丼の旨さを思い出しながら食べる。
バラ部分特有の脂の強く、お肉とは思えない蕩け具合で、酢飯との相性は抜群。

ここから焼き物だが、まず運ばれてきたのは塩系。
タン元、ハツ、上ハラミ、ウワミスジ、カイノミの盛り合わせだ。

絶妙に焼き上げられたタン元は、前歯で心地よく噛み切れ、なんとも言えない肉汁が溢れ出す。
つい癖でレモンをつけてしまうが、こんな旨いタンならレモンなどつけない方が旨いのだろう。

ハツは軽く炙る程度で食べるが、いつも通り旨い。
やはりジャンボ系のお店はハツを旨く食べさせる。

ここでカイノミは焼きの達人桑原さんが焼いてくれることに。
薄切りのカイノミの片面を弱火で、肉汁の汗をしっかりかくまで焼いて、火を入れてない方を外側に巻いて食べた。
これが今までとの食感の違いにびっくり。
うーん旨いなぁ、と感心するばかり。

上ハラミは、前回がすご過ぎたため比較は難しいが、今回も十分すごい。
肉繊維につまった肉汁が上質なハラミであることを教えてくれる。
十分厚切りなのだが、あまりに旨いので、もう少し厚切りで食べたくなってしまう。

ウワミスジはしっかりとした赤身の旨さが印象的。

塩系のお皿を食べ終えたところで、タレ系のお皿が登場。
盛られているのは、カタサンカク、シンシン、イチボ。
カタサンカクはサシがすごいわけではないが、柔らかな肉質で赤身の旨さが際立っている。

シンシンは柔らかな赤身を奥歯で噛み締めると旨みがどんどん出てくる。

カタサンカク、シンシンよりサシの強いイチボは、赤身の旨さと脂の甘みがあいまって、私の大好きな部位の一つだ。

腕(肩)やモモ系を堪能した後にでてきた3皿目は圧巻。
2皿目と同じくタレ系だが、盛られているのはサーロイン(薄切り)、シャトーブリアン(薄切り)、ヒレミミ、ミスジ

ミスジはいつも通り上品な甘みで、何枚でも食べれてしまうような気がしてしまう。
最近は色々なお店でミスジを食べる機会が増えているが、一番ミスジを美味しく食べれるのはジャンボやよろにくだと個人的に思う。

サーロインとシャトーブリアンがタレで出てくるのは、よろにくでは初めての経験。
まず1枚で50〜60gあるサーロインを一人ずつ網の乗せて食べる。
これは衝撃的なMeatだ。
普段のおろしポン酢でさっぱり食べるのも旨いが、あのご飯が進むタレで、蕩けるサーロインを食べると極上の快感が身体中に広がる。
とにかく旨いの一言。
この薄切りだからこそタレが合う。

シャトーブリアンを前にはやる気持ちを抑えつつヒレミミから食べる。
と言っても、シャトーブリアンの一部なので旨さは格別。
タレにもかかわらず感じるしっかりした旨さでシャトーブリアンへの期待も膨らむ。

このシャトーブリアンは想像通り、いや想像以上か、とにかく旨い。
肉質の柔らかさは今回No1だし、タレに負けない赤身の旨さがあとを引く。

先日のぱっぷHOUSEでも感じたが、サーロインやシャトーブリアンの薄切りをタレで食べさせるお店は本当に名店が多い。
特にシャトーブリアンヒレ)は、私が好きなお店のほとんどが薄切りのタレで提供している。(よろにく、くにもと、スタミナ苑、ぱっぷHOUSE、ジャンボ等)
これは本当に肉質とタレも含めた技術がないとできないのだろう。
ちなみに、塩で食べるサーロイン(おろしポン酢)やシャトーブリアンが一番旨いのもよろにくだと個人的には思う。
よろにくのようにとことん突き詰めて、塩ないしおろしポン酢で食べさせてくれるお店は素晴らしいが、普通のお店は"ただなんとなく"塩で食べさせるので精一杯なのかもしれない。
この辺りで心も胃袋も満腹になってきたが、網交換の後に運ばれてきたのはサーロイン(厚切り)。
これはおろしポン酢で食べる普段のサーロインだ。
これは相変わらず旨さ。
本当に旨いのだが、個人的にはタレの薄切りの旨さがあまりに衝撃的だったため、ほんの少しだけ印象が薄い。
だが、しっかり脂身部分も十分焼き上げて食べたが。

さすがに終わりと思っているところに更にお皿が・・・。
私の大好きな巻きである。
しかも生で食べる用と焼いて食べる用の1人2枚づつという衝撃。
先に生でご飯を巻いて食べると、口の中で生肉が蕩けていくのがよく分かる。
続いて焼いてからご飯を巻いて食べると、こちらはやはり生以上の蕩け具合。
脂の甘みとタレがご飯の組み合わせは最高の一言。

さすがに満腹になったが、最後はしっかりコプチャンで〆てしまった。
しかも塩とタレの2種類で。。。


これで本当に終了したが、1人あたり食べたMeatの量は400gほどだろうか。
さすがに途中で満腹になってしまい、残念ながらこの極上Meatコースを完遂できなかったメンバーもいた。
そういったメンバーの分のシャトーブリアン、サーロイン、巻き、コプチャンもご馳走になってしまったのは言うまでもない。
今回はお願いした予算を遥かに上回る質と量ではなかっただろうか。
くにもとやぱっぷHOUSEで、同じ予算でお願いしたものと比べ物にならない。
今回は(も?)オーナー桑原さんのご好意でここまで大満足するコースを味わえたのだろう。
本当に感謝である。
近いうちにまた再訪してしまうのは間違いない。