No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年1月6日 くにもと 本店

お昼にSUPULでウォーミングアップを済ませているので、夜はいよいよ本番である。
個人的には、このくにもとが2009年の"焼き初め"という気持ちだ。
いつも通り赤身刺しからだが、これは相変わらずの旨さ。
焼き最初のお肉はミルクタン(淡路牛)。
ミルクのような味わいだからミルクタンというらしい。
柔らかさとジューシーさが共存していてなかなか旨いが、年末にスタミナ苑で食べた上タンには味も値段もだいぶ負けてる気がする。


今回の"別格"の内容はこんな感じ。
塩系
 特選ハラミ(黒毛和牛)
 特選リブロース(淡路牛)
 特選サーロイン(淡路牛)
タレ系
 特選ヒレ(淡路牛)
 特選肩ロース(淡路牛)
 特選サーロイン(淡路牛)

特選ハラミの姿はすごい。
これほど綺麗に細かなサシが入ったハラミにはなかなかお目にかかれない。
厚さも程よい。
これほどをハラミを焼くとなると、否が応でも力が入る。
くにもとの炭から網への距離は極端に近い(所々網と炭が接触している)ため、厚めのお肉を均一に焦がさずに焼き上げるには、ちょっとした熟練が必要だ。
まぁ、私は"それなりに焼ける"と自分では思い込んでいるので問題はないが。
このハラミは想像通り、いや想像以上に旨い。
まずジューシーさが半端ではない。
そして肉繊維の柔らかさ。
新年早々すごいハラミに出くわした。



特選リブロースはリブ芯部分。
リブ芯とはいえ、かなりサシは少なめ。
ただ、しっかりと熟成されている為、柔らかくコクのある旨さ。

特選サーロインは若干厚めで、塩味とタレ味の両方がお任せに入っている。
旨いことは旨いのだが、くにもとで食べるサーロインは、特選と呼ぶにはちょっと弱い気がするのは私だけだろうか。

特選肩ロースは芯三角部分。
これが細かなサシで非常に美しい。
巻きや芯三角といったロース芯の周りは、サシが本当に細かくて旨そうだ。
今回の芯三角の旨さも格別、いや別格である。
柔らかさもすごいが、お肉自体の甘さが甘さが素晴らしい。
そして、くにもとのタレがこの甘さを更に際立たせている。
この次に続くヒレも捨てがたいが、今回No.1Meatの座はこの芯三角であろう。


特選ヒレは相変わらずサシが少なめ。
しかし、このヒレの柔らかさはすごいのだ。
若干厚めにカットされていようが、その厚さを全く感じさせない。
そして、この厚さはMeatの旨みをより高めている。
これも熟成の成せる技であろう。
相変わらずの素晴らしいヒレに感服してしまった。


追加注文は、上肩ロースと上ウデ。
上肩ロースはザブトン部分。
若干小さめのカットだが、その分厚さがある。
個人的には前回の様な大判で薄切りが好きなのだが。
だが、厚さを全く感じさせない柔らかさで、甘みも十分。
厚切りでこれほどなのだから、益々大判で薄切りが食べたくなってしまった。


上ウデはしっかりと熟成されていて、コクがあって旨い。
くにもとらしい一切れである。

残念なのは、私が個人的に一番くにもとらしさを感じられるお肉である芯玉ロースが品切れだったことだ。
赤身のお肉がなくて、ここまで残念になるのはこのお店くらいだろう。
〆はミックスホルモンと冷麺。
2009年の"焼き初め"に相応しいMeatに満足して帰りのJRの改札をくぐった。