No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年4月4日 スタミナ苑

行きたくても行けないお店。
予約ができないというのは何て辛い事なのだろう。
だがせっかく訪問できるチャンスに恵まれたのならば、万全の体制の臨むのが礼儀であろう。
ということで、今回も一番先頭に並んでくれた後輩に感謝しつつ、開店15分前に鹿浜に到着。
ミックスホルモンはいつもながらうっとりするほどの艶やかな姿。
そして塩ダレの加減が程よく、食感から新鮮さが伝わってくる。
さすがスタミナ苑を代表するメニューだけあって旨い。

あぶりレバ塩は2,3秒あぶって、口に放り込む。
これが甘みの宝庫で旨すぎる。
思わず生でも食べてしまったほど。

上タンはジャンボの上タンよりも薄切りなほどの厚さだが、サクサクとした食感と柔らかでジューシーな味わいが渾然一体となっている。
この上タンもスタミナ苑では必ず食べたい一品であろう。

ハラミは私の好きな部位の一つであり、あの荒々しさを感じる食感と溢れる肉汁の虜になっているのだが、スタミナ苑の特上ハラミは一味違う。
口の中で簡単に肉繊維がほどけていき、ほどけた肉繊維からは驚くほどの肉汁が溢れ出てくる。
こういったハラミも私に至福を与えてくれる。
あまりに旨くてお代わりしてしまった。

いつも大満足な上ヒレだが、今回は特に素晴らしい。
最上級の柔らかさは言わずもがな、赤身の旨さがすば抜けている。
そして、この大判に惜しげもなくかぶりつく贅沢がたまらない。
実はスタミナ苑の中でも抜群のCPの高さを誇る一品かもしれない。

後から出てくる大物の為の引き立て役になってしまっていたが、これもなかなか旨い上ロース。

登場しただけで周りのお客さんの目が釘付けになってしまったのが特選上ロース。
何度見てもすごいカットである。
余分な筋や脂が全て削ぎ落とされ、普段にも増して細かなサシが縦横無尽に入った姿は神々しい。
これほどの厚切りだが、サッとあぶる程度で焼き上げる。
もはや言葉にならない旨さ。
今年は多くの旨いサーロインに出会ってきた"サーロイン当たり年"だが、その中でも群を抜く旨さかもしれない。
肉質も素晴らしいが、これほどの厚切りをサッとあぶる程度でも、中が冷たくないというのが実はすごいことなのではないだろうか。
しっかりとお客さんが焼き易いように、常温に戻しているのだろうか。
凍ったお肉を平気で出してくるお店に見習って欲しいところだ。


特選上カルビも普段以上の肉質であった。
スッと蕩ける上質な脂の甘さはどう表現していいのか分からない。
後から運ばれてくるテグタンスープ用のご飯を全て食べてしまうという過ちを犯してしまったほど。
部位は色々だが、"カルビ"という表示で提供されるMeatの中で、この特選上カルビは金竜山の特選カルビと並ぶ最高峰のカルビであろう。


最後はタレの上ミノで終了としたが、これはなかなかといったところ。

今回は上ヒレ、特選上ロース、特選上カルビといった極上系で、私のスタミナ苑経験の中では過去最高の肉質であり、驚きの連続であった。
さすがスタミナ苑としか言えない。
これだから開店2,3時間前から並んででも食べたいのだ。
並んでくれたのは後輩だが・・・。
ありがとう。