No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年4月7日 くにもと 本店

同業他社の方々と"くにもと"にて情報交換会。
お任せは"別格"でお願いして、以下の盛合せ。
塩系
 特選ハラミ(黒毛和牛)
 特選ミスジ(鹿児島県産)
 特選リブロース岩手県産)
タレ系
 特選リブロース岩手県産)
 特選肩ロース(淡路牛)
 特選ヒレ(淡路牛)

久しぶりの"くにもと"の"別格"に逸る気持ちを抑えつつ、まずは特選ハラミから。
焦がさぬよう、かつ、肉汁の汗が浮いてくるまでじっくりと焼き上げる。
若干厚めのハラミを強い炭火で焼くのは、実はかなり難しい。
こんなハラミを焦がして台無しにしてしまったら、牛は勿論、生産者、お店の方等関係者に申し訳なさ過ぎる。
我ながら完璧と思える状態に焼き上がったハラミは、ジューシーな肉汁と"くにもと"の塩ダレがベストマッチで非常に旨い。
ただ、今年は旨いハラミに遭遇した回数が多いので、過去のエース級のハラミと比べてしまうと若干見劣りしてしまう。

正直、"くにもと"のミスジは、旨いことは旨いのだが、他の特選系Meatに比べると格下な印象は持っていたが、今回の特選ミスジはその印象をかなり払拭してくれるものであった。
塩ダレではなくタレで食べてみたい一品だ。

特選リブロースは私の大好きな巻き部分を使用している。
塩ダレの特選リブロースは、繊細さを感じる柔らかさと、塩ダレで引き立てられた甘みが素晴らしい。
それにしても旨みの強いお肉である。

タレの特選リブロースは、"くにもと"特有のフルーティーなタレで更に旨みが増している。
"ジャンボ"、"よろにく"に次いで"くにもと"のタレは旨いなぁ、やっぱり。

特選肩ロースはザブトン。
"くにもと"で扱う淡路牛はサシが少なめだが、さすがにザブトンはしっかりサシが入っている。
これには唸ったね、全員が。
脂の甘みは勿論だが、赤身部分の旨みもすごい。
飲み込むのが勿体無いほどの旨さである。

"別格"の最後は、待ちに待った特選ヒレ
最初に運ばれてきた時から、ず〜っと気になっていたMeatである。
サシがほとんど入ってなく綺麗な赤身だが、唇で噛み切れてしまいそうな柔らかさは、この特選ヒレにかぶりついた事のある人しか分からないだろう。
そして、香り高いその身は、至福の瞬間をもたらせてくれた。
これは間違いなく今回のNo.1であろう。

全員が特選ヒレの余韻に浸っている中、私は追加のセレクトに精を出していた。
まずは上肩ロース(鹿児島県産)。
上肩ロースは肩ロースの巻き部分が登場した。
特選ほどのサシはないが、柔らかな赤身からは、噛むごとに旨みが溢れ出てくる。

上ランプロース(淡路牛)も赤身の旨みを堪能できる部位であろう。

だが、これぞ"くにもと"と言える衝撃を与えてくれたのは、上イチボロース(淡路牛)であろう。
巷によくあるサシ偏重のイチボではなく、なんとも赤身の味が濃いイチボである。
こんなイチボが食べれるのは、私の知る限りでは"くにもと"だけである。

いつもの様にミックスホルモンを食べて、最後は冷麺で〆である。
ちなみに今回のミックスホルモンのミノが非常に旨かった。

赤身の旨さを味わうには、"くにもと"は唯一無二の存在だろう。
次回は赤身攻めということで、今更だが初の"上出来"を経験してみるのもいいかもしれない。