No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年5月28日 焼肉酒家 傳々

最近訪問頻度が上がっている傳々だが、『松阪のサーロインとシャトーブリアンどうですか』と高矢店長に言われれば、訪問頻度など関係ない。
今回の前菜は2品が登場。
1品目はいつもの刺身盛合わせ。
レバ刺し、ミノ刺し、ココロ刺し、牛刺し、タンユッケ、どれもめちゃくちゃ旨い。

2品目の前菜の準備が始まった。
あれ??

そう2品目の前菜はすき焼きだ。
焼肉屋さんですき焼き?
すき焼きが前菜?
ジャンボのように網ですき焼きをするのではなく、正統派のすき焼き鍋で焼くのだ。
しかも関西風。
若干火を強く入れすぎかと思ったが、食べてみると全くそんな事はない。
割り下に負けないしっかりとした旨みがある。
しかし、ザラメと割り下の味付けがまた旨いのだ。
これを1枚で終わりというのは、あまりに酷ではないか。


焼肉に移行して、まずはお馴染みのタン元とハラミ。
前回の傳々のタンと、数日前のよろにくのタンがあまりにすご過ぎたので、若干感動は薄れてしまったが、他店ではなかなか食べることのできない旨さのタンであることに間違いはない。
ハラミはいつも通り片面焼きで食べたが、もうほんの少しだけ焼いた方が旨みが強くなるのではないかという感じ。
しかし、タン同様にあまりの旨さに、私の要求がどんどん高くなっているのかもしれない。

傳々にきたら、必食の上ミノとホルモン。
素晴らしい食感の上ミノを堪能し、ホルモンの旨さには笑みがもれる。
ここからが更にすごい。
シャトーブリアンはいつもより若干厚め。
これが赤身の甘さがしっかりしていて、柔らかな肉繊維の一本一本に詰まった旨みが口いっぱいに広がった。
惜しむらくは、若干塩が足りなかったこと。
もう少し塩が強ければ更なる旨みの境地に到達したであろう。
それにしても、旨すぎである。

続いてサーロイン。
こちらは大根おろしをたっぷり包んで食べる。
細かなサシがたっぷり入っているにもかかわらず、全くしつこさがない。
口の中で蕩けるサーロインが愛おしい。

芯と巻きの盛合わせが登場したが、リブロースと言うよりは肩ロースの近い部位であろうか。
芯は、食べ方の違いもあるだろうが、先ほどのサーロインより脂の甘みが一段と強く感じる。
蕩ける甘みが最高だ。
巻きは芯より厚めにカットされているが、そんな事は全く感じない柔らかさ。
ご飯が欲しくて仕方ない。
それにしても傳々の巻きはすごい迫力である。

『もしかしてそろそろ終了かな?』と不安になったが、ここで驚愕の仕掛けが待っていた。
登場したのは不揃いではあるが、何とも旨そうなハラミ。

それを一気に焼き上げていく。
すごい。。。

焼き上がったハラミを特製のタレに付け、上から卵をかけてしまった。

更にたっぷりの葱を乗せて完成。

これをご飯に乗せて食べると何と旨いこと。
一同ガツガツとご飯を頬張る。
ぷは〜幸せ。
最後は腕。
いつもよりサシがしっかりとした腕で、柔らかさは勿論のこと、赤身の旨みが濃い。
同行者の中にギブアップがいたため、1人で3枚いただけた。
感謝。

この傳々、最初に食べるナムルやサラダは勿論旨いし、途中で出されたテール粥、最後の冷麺にいたるまで、サイドメニューの旨さも特筆もの。
更に今回は松阪牛がメインであったが、松阪牛を売りにしているお店で散見されるような、余分な脂を恥ずかしげもなく付けたままのMeatではなく、余分な脂を綺麗にカットして提供してくれる。
こういったところが肉好きの心をがっちりと掴んで離さない。
やはり素晴らしい黒帯店である。