No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年10月6日 よろにく

周囲の人の中で焼肉好きの人を探すと、かなり大勢の人がひっかかる。
とうか、焼肉好きじゃない人探す方が大変かもしれない。
しかし、色々な人と焼肉に行って思うのは、”好き”の度合いが全く違うのだ。
焼けば焼くほど、こんな事が身にしみる。
そんな中、久しぶりに”好き”の度合いが突き抜けてる人と網を囲むことに。
一緒に焼くのは初めてであったが、場所はお互いが気に入っている”よろにく”。
刺身の盛合せはタンユッケ、タン刺し、ハツ刺し、タテバラの塩ユッケ、赤身のユッケの軍艦巻き、亀の甲の平ユッケ、トモサンカクの握り、タテバラの牛刺し。

タンユッケはほど良い味付けでタンの甘みが邪魔されておらず旨い。

タン刺しもしっかりと旨みが感じられる極上品。

ハツ刺しは臭みなどなく、鮮度の良さを感じさせるサクサクとした食感でかなり好み。
ゆうじのハツ刺しに少し及ばないものの、ハツ刺しとしてはかなりのレベルではないだろうか。

タテバラの塩ユッケは若干脂が強くて、味がぼやけてしまっていて、ちょっと残念な印象だ。

ユッケの軍艦巻きはいつも通りの旨さ。

亀の甲の平ユッケは、私の好きな味付け。
ただ、一切れ自体が小さいので、亀の甲の旨みが感じにくかったのではないだろうか。

トモサンカクの握りは心地よい甘みが口に広がり、その甘みが酢飯でさらに際立つ。
トモサンカクは本当に旨いなぁ。
個人的に大好きな部位だ。

タテバラはいつも握りだが、今回は牛刺しで登場。
甘みがあって旨いが、脂が若干強めなので、どっちかというと握りで食べた方が旨いと思うのだが。

焼きは刺身でも旨かったハツは、サッと炙る程度がやはり旨い。

タン盛合わせはど迫力。
しっかり隠し包丁が入ったタン先は、心地良い歯応えとしっかりした旨み。
硬めであるが故に避けられがちなタン先であるが、しっかりした下処理でここまで旨くなるのだ。
タン元は溢れる肉汁とサクサクの食感を楽しめる。
とことん贅沢なカットで、これでもか!という旨みを存分に味わう。
タン下は若干強めに焼いて、奥歯で感じる噛み応えと、肉汁と塩ダレの絶妙な組み合わせが素晴らしい。

ハラミは塩とタレの2種類が、最近多い塊で登場。
塩のハラミはジューシーな肉汁の旨さをより強烈に味わうことができ、タレのハラミは荒々しさが若干控えめになり優しく味わえる。
どちらも非常に旨い。

サラダのシルクロース巻きはなんとも贅沢。
サーロインのような脂の強い部位だと、冷めた時の脂がちょっときつく感じ、お肉自体が旨いのにちょっともったいない。
お肉とサラダは別々の方が好みかも。

シンシンも最近多い塊で、ニンニクパウダーがかかっている。
厚さは普段と同じ程度であったが、今回はジューシーな肉汁と柔らかさに欠ける。
赤身自体の旨みはしっかりしているのは流石だが。

薄切りタレのヒレは残念ながら半身(涙)
これだけは焼きすぎ厳禁なのだ!
サシが蕩けるのではなく、赤身自体の柔らかさが官能的。
しっかりと旨みもあって、素晴らしいヒレだ。

ミスジはいつ食べてもはずれがない。
肉質自体も当然素晴らしいが、ここまでミスジの旨さを引き出す食べさせ方は他のお店(当然ジャンボは除く)はできないだろう。

サーロインの薄切りは、綺麗に焼かずに赤い部分が所々残るようにするのが極上の旨さをさらに一段上げるポイント。
一口ご飯と一緒に食べるとお肉の甘さとタレの甘さをご飯がほど良くしてくれる。
一瞬で蕩けてしまった。

タレと塩の肩芯を香味野菜と一緒にポン酢で食べる。
厚切りにもかかわらず、ほとんど噛む必要のないほどの柔らかさ、甘みもしっかりしている。

テールスープをかけた石焼ビビンバと一緒に食べたのは、ハチノスの香草パン粉焼きとタンスモーク。
テールの旨みがしっかりと出ていてかなり旨いビビンバ。
下処理されたハチノスが柔らかなハチノスの香草パン粉焼きはかなり旨かった。
タンスモークはタンの旨みが抜けてしまった印象を受けたが、ハチノスの香草パン粉焼きの合間に食べるにはちょうどいい。


この日は肉好きだけでの肉談義で非常に面白かった。
最高のお店で、最高の焼き手と一緒に網を囲むというのは、なんとも贅沢で素晴らしい経験である。