No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年10月16日 七厘

人生で二度目の三ノ輪での下車。
目的地は前回一人で訪問した七厘だ。
前回は人数的な制約で、かなり限られた種類のみであったが、今回は3名なので、ある程度は食べれるだろう。
レバ刺しは薄切りとぶつ切りの2種類の盛合わせで、牛の蔵と同じスタイル。
ねっとりとした食感で、何となく舌触りが好みではない。
臭みもないが、甘みも少なめ。

前回の感動を再び味わうために頼んだのは究極のタン。
タン元とタン筋の2種類の盛合わせ。
タン元は片面に軽く隠し包丁が入っているが、(個人的に極上のタン元に隠し包丁は好きではないが)この程度であれば気にならない。
それほど火力の強くない炭火で炙ると、表面が魅惑的な焼き色に覆われてくる。
サクサクとした食感と、濃厚な旨みは生の上質な黒タンならではだろう。
タン筋も旨かったが、もう少し塩味が強い方が良かっただろう。




シャトーブリアンは厚切りだが、それほど期待の高まらせる姿ではない。
残念ながら味わいも平凡。
旨いことは旨いのだが、値段とのバランスを考えると、二度は頼まないだろう。


特選ハラミは、厚みのある塊で登場。
これほどの厚みは炭焼喰人の厚切り上ハラミと良い勝負だろう。
網の端でじっくりと火を入れていくと、肉汁でパンパンになったハラミの塊が出来上がり。
包丁でカットしてもらったハラミは溢れる肉汁が素晴らしい。
ただ、大きさと肉質は炭焼喰人とほぼ同じだが、値段は炭焼喰人の倍近いのでは!?




ランプはしっかり熟成されて水分が飛んでいる。
赤身の旨みがしっかりしていて、程よい風味が感じられる。

薄切りとも厚切りとも言えない中間の厚さだったのがサーロイン。
サシが若干太めなこともあり、蕩ける食感ではなかったが、甘みはしっかりしていてかなり旨い。

トモサンカクはサシは少なめであったが、柔らかで濃厚な甘さがある。
片面焼きでも赤身の旨さを堪能できる。

ザブトンは甘みが強く、ご飯が欲しくなるほど。
これは誰が食べても旨いと思うかもしれない。


ミスジに関しては、ジャンボやよろにく以外で、ここまで旨いミスジは滅多にないだろう。
さっぱりと食べれて、ミスジ特有の旨みに大満足だ。



カタサンカクはランプの様に水分がしっかり飛んでいる。
柔らかさはあるのだが、旨みはそれほど強いわけではなく、印象は薄い。

ササはカルビらしい濃厚さが感じられない。
これはちょっと残念な部位だ。

マキロースは、舌に乗せただけで蕩けていってしまう。
しかも甘さが半端ではない。
濃厚なサシにも負けない旨みもあって、素晴らしいマキロースだ。


リブ芯は先ほどのサーロインと比べると、かなり細かいサシが入っていて期待が高まる。
赤身自体の旨みと甘みのバランスが素晴らしく、柔らかな食感が最高。
今回NO.1を上げるとしたら、間違いなくリブ芯だ。


三角バラは、カルビの王様と呼ぶに相応しい一切れだ。
先ほどのササとは大違いの濃厚なサシの甘さが際立っている。
蕩ける食感も最高である。

上ミノは残念ながら、まあ普通と言ったところだろう。

前回訪問時から仕入れが変わって、今回は最近流行の一頭買いになっていた。
その影響で、今回の正肉は全て松阪牛
幻のタンは値段は高かったが、素晴らしい旨さだったので良かったが、シャトーブリアンと特選ハラミは値段に見合わない印象を受けたので次回は頼まないだろう。
また、ランプ、サーロイン、トモサンカク、ザブトン、ミスジ、カタサンカク、ササ、マキロースの8種類で4,500円のおまかせ盛合わせ。
これは恐ろしいほどCPが素晴らしい。
このおまかせ盛合わせに上には、悶絶コースというのがあったが、要予約という事と値段の高さで注文は躊躇ってしまう。。。
一頭買いを前面に出しているお店に限って、がっかりする事が多いが、七厘にはぜひ頑張ってもらいたい。