No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年11月10日 焼肉酒家 傳々

一年間に何回焼肉を食べているか分からないが、新規開拓はそれほど多くない。
”よろにく”や”傳々”を訪問すると、新規開拓が無駄に思えてしまうのだ。
そして、気がつくと今回もまた訪問してしまった。。。
刺身盛合せは牛刺し、レバ刺し、ココロ刺し、ミノ刺し、タンユッケでいつもと同じ。
今回は牛刺しとタンユッケが特に良かった。
逆にレバ刺しは若干臭みを感じた。

遅れている1名を待っている間に出してもらったのはヒレユッケ。
味付けはタレではなく塩ダレであったが、旨みがしっかりとしていて、今まで食べた塩ダレでのヒレユッケの中では一番の旨さだ。

全員揃ったところで焼き開始であるが、最初はタン元。
サクサクとした食感が非常に心地よく旨みも濃厚だ。

ここで以前高矢店長にお願いしていた件が実現した。
それは黒タンと白タンの食べ比べである。
先ほど食べたタン元は黒タンなので、白タンのタン元をお願いする。
見た目的には違いはほとんど分からず、白タンも非常に旨そうである。
同程度に焼き上げてもらった白タンのタン元は、これはこれで旨いのだ。
ただ、先ほどの黒タンと比べるとサクサクとした食感が若干弱く柔らかさが印象的。
勿論個体差があるのだろうから、一概には言えないが、一番の違いは肉汁はしっかり溢れるが、旨みが弱く、ぼんやりした味わいということだろう。
今回は続けて食べて比較した為、違いが分かったが、突然白タンだけ出されたら正直分からないかもしれない。
今回食べた白タンのタン元の方が、そこいらの焼肉屋さんで食べる上タンより圧倒的に旨い。
今回、白タンでも十分旨いということを学んだが、極上の黒タンはそれ以上に素晴らしい旨さだということも学んだ。
私のような素人には非常に貴重な体験であり、実際に比べもせずに黒毛和牛至上主義に走りそうになった自分への良い戒めにもなった。
百聞は一見にしかず!

ハラミは両面を焼いて山葵醤油で。
荒々しさを感じる肉繊維からは極上の旨みを感じるが、一度この傳々のハラミを厚切りでかぶりついてみたいものだ。
百聞は一見にしかずだし(笑)

シャトーブリアン山形県産の雌牛。
ピンクというよりワインレッドの赤身は、軽く火を入れただけで旨みが際立つ。
濃厚な旨みが口いっぱいに広がって、何故か感謝の気持ちがこみ上げてくる。
黒毛和牛、ありがとう。
肥育農家の方、ありがとう。
高矢店長、ありがとう。
健康な私の身体、ありがとう。


ホルモンは私が傳々で食べるホルモンNo1とNo2の揃い踏み。
上ミノと塩ホルモン(シマチョウ)であるが、いつもながら最高である。
最近訪問したホルモン屋さんは”ゆうじ”と”ぐう”だが、そのどちらもこのホルモン2種類には及ばないだろう。

タレに移って、ミスジはかなり美しい姿。
やはり“ジャンボ”や”よろにく”のミスジには若干及ばないが、旨みと上品な柔らかさがあって非常に旨い。
サーロインは、シャトーブリアンと同じ個体。
いつものサーロインと比べると、サシがほんの少し大振りで、カットも若干薄く見える。
食べてみると、しっとりとした柔らかさがあり、サシの甘みより赤身の旨みが強烈。
文句のつけようがない旨さである。


傳々では珍しいカルビも登場。
惚れ惚れするほど綺麗にサシが入ったバラである。
肉繊維の間の脂をジュワッと溶かすように炙られている姿に目が釘付け。
濃厚な脂の甘みが強くて、最高に旨いカルビである。

この時は、次にあんなMeatが登場するとは夢にも思わなかった。
そのMeatとは・・・。
厚さ10センチ以上のシャトーブリアンである。
勿論最初に食べたシャトーブリアンと同じお肉であり、最高級品質。
こんなMeat生まれて初めてである。
高矢店長が20分以上かけて焼き上げるが、片時も網から目が離せない。
まな板でカットされた断面の綺麗な色合いが写真で伝えられないのが悲しい。
一同唾液を飲み込んでしまうほどだ。
岩塩で食べると、あっさりとした旨みがよく分かる。
最初の薄切りと違った食感も楽しめ、恐ろしく旨い。



最後はカイノミ。
よく冷麺にお肉が乗っているが、私は正直あれがあまり好きではない。
私は冷麺を食べる時に、サシがしっかり入ったバラ(特に三角バラ等)や脂の乗ったホルモンを頼んで、焼きたてのお肉と冷麺を交互に食べるのが好きだ。
ジューシーな脂が冷麺ですっきりと流れるのが心地良いのだ。
実は高矢店長も同じような食べ方が好きらしく、今回はカイノミで冷麺を食べさせてくれた。
カイノミのジューシーな旨みと冷麺がぴったりで、一気に食べきってしまった。
これはぜひオススメしたい食べ方である。


恐ろしい、実に恐ろしい。
これほどの満足感を味わってしまうと、本当に他のお店に行けなくなってしまう。