No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2010年5月29日 和牛焼肉 KIM

私は何故か週末になると(平日も??)無性に焼肉が食べたくなる。
嫁さんも私と同じ症状がでていたので、知り合いの方が働いているオープンしたてのKIMへ、家族で新規開拓してみることにした。
頼んだのは料理長おすすめのコース。
トウガラシのタタキはちょっとパサついた感じだが、お肉の味はしっかりしている。

トモサンカクの刺身は舌の上で甘みが広がり、素晴らしい蕩け具合。

ユッケはお肉と卵の黄身の量のバランスが良くないが、手元で調節すれば問題なし。
黄身を付けずに食べるとお肉の味の濃さが良く分かり、黄身を付けて食べると甘みのバランスに感心させられる。

握りはKIMロース。
焼肉屋さんの握りにはガッカリさせられる事が多いが、KIMの握りは間違いのない旨さ。
ただ、さっぱりと食べられるKIMロースであれば、もう少し厚めのカットで食べたいところ。

満足度の高い前菜の次は焼き物。
細かなサシが散りばめられた見事なヒレの厚切りには目を奪われる。
じっくりと弱火で温めるように火を入れていく。
ちなみにKIMのロースターはSHINPO製であるが、テーブル上のボタンで簡単に火力調整ができるので、テーブル下のレバーで火力調節ができない焼き初心者には一番焼きやすいロースターではないだろうか!?
ロースターに感心しつつも、極上ヒレから片時も目を離さなかった成果はすごかった。
肉繊維の1本1本がしっかりと感じられ、その肉繊維の柔らかさ、ジューシーでありながらさっぱりとした肉汁に感嘆の声が漏れる。
なにより旨みが濃厚なのだ。

サーロインも厚切り。
こちらもヒレ同様に肉質の良さに感心してしまう。
サーロインは薄切り派なのだが、このサーロインなら話は別。
本当に旨い。

特選タンはタンの一番根本の丸みの付いた部分。
生のタンではあるが、サクサクとした 食感に乏しい。
期待が高かっただけに残念。

肩ロースは、その肉質を完璧に把握したカットと味付け。
適度な弾力がありながら、噛み締めると感じられる肉汁の旨さにこのお店の実力が感じられる。

カタサンカクは香ばしく焼き上げると、心地よい噛み応えと歯茎に溢れ出てくる旨みが強烈。
これぞ焼肉と叫びたくなる!



上ハラミは肉繊維の弾力、肉汁の旨さ共に今一つ。

タレの合間に塩で出てきたのがザブトン。
ここまで見事なザブトンはなかなかお目にかかれない、と感じられるほど細かなサシがすごい。
見た目の期待を裏切らない最高の口溶けだが、塩によって脂のしつこさが強く感じる。
これほどのザブトンなので、ジャンボ系のタレで食べてみたいものだ。

ミスジは肉質の良さが十分すぎるほど伝わってくるが、タレとのバランスがあまり良くない。

薄切りのサーロインは説明不要の旨さ。
レア焼きであれば、しつこさのない脂の甘み。
よく焼きであれば、風味のある赤身の旨み。
どちらの焼き加減でも満足せざるをえない旨さである。


コース以外に子供用に頼んだ並のロースは、適度な弾力があり、お肉らしい味が強くて旨い。
こんなロースを食べて、子供にはお肉の旨さを覚えて欲しいものだ。

サービスで出してもらったセンマイ刺しは、香味野菜とのバランスが良い。
贅沢を言えるとすれば、野菜の食感にセンマイが負けてしまっているので、もう少しシャキシャキのセンマイで食べたいところ。

全体的に、あくまで個人的な印象だが、タレが私の好みとちょっと違うので、肉質が良ければ良いほど、勿体無く感じてしまう。
しかし、先付けから〆の冷麺まで、どのサイドメニューも旨いし、一番肝心なお肉がとにかく素晴らしい。
2010年オープンのニューカマーとしては、今のところ断トツのレベルを感じてしまうお店であった。