No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2010年5月28日 炭焼喰人

久しぶりにお会いしたkon-konさんや遊16さん達と共に塊肉祭りを開催した。
会場は塊肉の聖地”炭焼喰人”。
まずは炙りレバからだが、臭みは皆無鮮度抜群なのがよく分かる。
炙りレバなので、最初に一切れは軽く炙ったが、2切れ目以降は完全に生食。
生食の方が、断然甘みが強い!

厚切り上タン塩は熟成方法による違いを食べ比べ。
食べ比べと言っても今回はカットも全然違うのだが・・・(汗)

ウェットエイジングは普段の”炭焼喰人”の厚切り上タンの1/2の厚さで。
これでも他店の厚切りより厚いかも。
まずは前歯にサクリと心地良い感触、その後は奥歯でジューシーな感触を堪能する。
黒タンらしい旨みがしっかり感じられる。

ドライエイジングは超〜厚切り。
前日に『ひみつの嵐ちゃん』で”炭焼喰人”の超厚切りの6cmのタンが紹介されていたが、これはそれ以上ではないだろうか!?
さすがにガスでこのタンを焼く自信はないが、炭であればなんとかなるであろう。
肉繊維を伝わって熱が入っていく様子を常にイメージしながら、縦面(カットした断面)からじっくりと火を入れていく。
仕上げは側面の4面にも火を入れ、完全に肉汁を閉じこめると、タンの塊はパンパンに膨れ上がっていた。
私の経験では、厚切りのお肉を焼く場合は、肉繊維に垂直にカットされた面からじっくりと火を入れていく方が肉汁が漏れずに、なおかつ中心まで火を入れられる気がする。
カットの技術が足りなくて肉繊維に垂直にカットされていないお肉は論外だが、しっかりカットされたお肉を焼く際には、ぜひ肉繊維に注意しながら焼いて欲しい。

さて肝心のタンの感想であるが、焼き上がったタンは包丁で一口サイズにカットしてもらったが、中は綺麗なピンク色で、我ながら見事な火入れ具合である。
炭火で炙られた面の食感はザクザクとしていて、中の部分はかつて経験した事のないプルプルとした食感。
しっかりと火が入っているので、黒タン特有の甘みも強烈に感じられる。
今までの私の知っているタン常識を覆す衝撃的な旨さに出会った。

ロースは熟成期間の違いを食べ比べ。
風味の違いがかなりあるように感じるが、それ以上にサシの入り具合による甘みの違いが大きいかな(笑)

厚切り上ハラミは、肉汁が閉じこめられた膨らんだ肉繊維を噛み千切りながら食べる。
半端ない量の肉汁が溢れてきて旨い。

カイノミはぱっぷHOUSEの巨大なカイノミを更に厚くした感じ。
お肉らしいしっかりとした肉繊維は旨みの宝庫。

厚切り上ロースの盛合せは、ザブトン、トモサンカク、イチボの盛り合わせ。

ザブトンは厚切り故に蕩ける食感を楽しめるわけではないが、ジュワーと口の中に広がる肉汁が旨い。

この盛り合わせの中で一番印象深かったのがトモサンカク。
見事な厚切りであるが、その厚さを感じさせない柔らかな肉繊維で、ヒレのような不思議な食感があり、旨みと甘みのバランスが最高。
塩が本当に良くあう。

イチボはトモサンカクの印象が強すぎたのか、旨みが弱く感じる。
食感は良かっただけに残念。

ハラミの筋のホイル包みは、下処理されたハラミの筋とエノキが入っているのだが、エノキが旨みを吸っていて非常に旨いのだ。
これはお代わりしたかった。

カルビの王様はジェンガ仕様!?
ブロック上にカットされたバラは冷凍ではなく生なので、写真撮影中にジェンガがどんどん歪んでくる(笑)
これは脂がかなり重い。
もう少し脂をあっさりと楽しめるツケダレがあるといいのだが。


シビレは1本(?)で登場。
ミルキーでぷるんとした食感が癖になる。

上ミノは身が厚くてザクザクとした食感だが、歯切れの悪さもある。

〆のお肉はシャトーブリアン
私の好きな薄切りのタレで出してもらったが、気を付けなければトングで持ち上げただけで千切れてしまう。
あ〜旨い。
文句のつけようがないほど旨い。
このシャトーブリアンは都内では考えられないCPなので、”炭焼喰人”に行く機会がある人にはぜひ食べて欲しい一品だ。
都内の半額位で食べられるだろう。
厚切り塩と薄切りタレの食べ比べもオススメ。


今回一番の衝撃は超厚切りのタンであったが、他の塊で食べる熟成肉もさすがの旨さである。
願わくば、これらのお肉を塩や既存のタレだけでなく、お肉にあわせて塩ダレやフルーティーなツケダレで食べてみたいなぁ。
“炭焼喰人”の長期間熟成のお肉は、鼻に抜ける香りがすごくいいので”くにもと”のようなフルーティーなツケダレがすごくあう、と昔から思っているのだが。
そんな事になったら、満腹中枢が壊れるまで食べてしまいそう(汗)