No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2010年6月11日 よろにく

戦後60数年、日本の焼肉は数々の名店に支えられて進化を遂げてきた。
新たにオープンする焼肉店も多く、色々なコンセプトを打ち出して、我々焼肉好きを楽しませてくれる。
また、古くからあるお店も、『さすが』と感じさせる実力を持っている。
そんな中にあって、新旧を含めて他を寄せ付けない圧倒的な実力を持ったお店が存在する。
オープンして約3年。
“よろにく”には驚愕し、感心し、そして満足させられてきた。
肉質、カット、味付けは勿論、提供される内容に対するCPの良さ、お肉の食べさせ方についての創造性、さらにサイドメニューの旨さ、、、
そのすごさを語ればキリがない。
間違いなく、私が思うNo1の焼肉屋さんである。
今回もVANNEさんお任せで、焼肉の『極み』を体験できた。
牛刺しはエンピツとセンボンスジの2種。
ロース芯の隣に位置するエンピツを刺身で食べるのは初めて。
焼いて食べる時のような食感はないが、甘みとコクがあって非常に旨い。
昇天度 4

硬いイメージがあるセンボンスジも刺身で食べるのは初めて。
これが驚きの食感で、味の濃い赤身はなんとも柔らか。
これほどのセンボンスジが食べられるとは、驚き以外の何ものでもない。
昇天度 4

ユッケのように細切りにされたタン先は、醤油に辛味ダレを混ぜたものに付けて食べる。
歯応えが良く、噛むほどに感じられる旨みあり、タレとの相性も良い。
昇天度 3

ぶつ切りのユッケは甘みの強いタレがよく絡まっていて旨い。
ユッケにこんなに旨みの強いお肉を使っているお店って他にあるのだろうか!?
昇天度 4

センマイ刺しは最近ハマリ気味のポン酢で食べるタイプ。
プリプリした食感で、ほど良い酸味のポン酢と細切り野菜との相性も抜群。
センマイ好きは勿論、センマイが苦手な人にも食べて欲しい一品。
昇天度 5

久しぶりのハツは厚みがありながらも、サクリとした歯切れの良さがある。
“傳々”、”ゆうじ”と並ぶ旨さのハツだ。
昇天度 3

厚切りで食べることの多いタン元は、薄切りで片面焼きにて食べる。
表面に肉汁が浮いてきた瞬間を逃さずに食べるのだが、焼いた面を内側にし、生面を外側にしてすると、表現しにくい不思議な舌触りで、想像以上のジューシーさに驚く。
昇天度 4

カイノミは”炭焼喰人”並の塊だが、ガスでVANNEさん自ら絶妙に焼き上げてくれた。
ハラミに近い食感の肉繊維で、噛み応えが非常に良い。
旨みが非常に濃厚で、ニンニクチップと相性も抜群。
昇天度 5


カメノコはしっかりした歯応えと、滲み出る旨みが素晴らしい部位だが、今回のカメノコは旨みが若干弱い。
昇天度 2

ハラミ芯は弱火で片面にしっかりと火を入れる。
繊細でありながらも、ギュッと旨みを詰め込んだ肉繊維を断ち切る感触は何物にも変えがたい。
甘みのあるタレの香ばしさと肉汁が口の中で絡まり具合を思い出すと涎が・・・。
昇天度 5+

ここで登場したのが握り。
カットと握りとしてのバランスは焼肉屋さんの中で飛び抜けているが、今回はいつもの完成度に及んでいないかなぁ。
ただ、間違いない旨さなのだが。
昇天度 3

ミスジはいつもより薄切りで、繊細さがすごい。
細かなサシが蕩ける食感ではなく、肉自体が柔らかで、風味がしっかりしている。
いつものミスジと思いがちだが、今回のミスジは特に旨い。
昇天度 5

肩芯は適度な厚みがあって、見ただけで心躍るお肉だ。
片面焼きで、半分は生面を外側にして、もう半分は生面を内側にして食べる。
想像以上の食感の違いで、どちらも甲乙つけ難い旨さ。
昇天度 5+

中落ちは、口の中で脂の甘みがジュワッと広がる。
終盤にきてからのカルビであるが、さっぱりと食べられるのはさすが。
昇天度 3

ロースの中ではずば抜けて甘みが強いのが巻き。
細かなサシから生まれる独特な食感が強烈。
昇天度 4

タレで食べる薄切りのサーロインは、説明不要の旨さ。
赤身の旨さと脂の甘みが共存した奇跡の一切れ。

無理を言って出してもらったのがシャトーブリアン
今回は薄切りで塩。
くあ〜、やばいくらい旨い。
薄切りはタレにハマっていたが、この薄切り塩の旨さは尋常じゃない。
肉質が特別すごいのか!?

何度行っても、どれだけ食べても、またすぐに行きたくなってしまうお店。
“よろにく”はいったい焼肉をどこまで進化させるのだろうか。