No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2010年8月27日 肉匠 なか田 西麻布店

会社の違う部署の後輩に焼肉に誘われた。
しかもお店指定で。
"肉匠なか田"と聞いて、正直あまり気は進まなかったが、せっかく焼肉に誘ってもらったのだから断るわけにはいくまい。
最初は気が進まなかったとはいえ、あの重厚感のある扉をくぐる頃には気持ちは盛り上がっていたのは確か。
刺身盛合せはレバ刺し、タン刺し、ハツ刺し、ユッケ、牛トロ握り。
レバ刺しはカットの問題もあるのだろうが、カットが小さすぎて味の印象が弱すぎる。
タン刺しはしっかりした歯応えとほのかなタンらしい甘みがあって旨い。
ハツ刺しは小振りだが、旨さがしっかりと際立っている。
申し訳ない話だが、このハツ刺しの旨さは意外なほど(笑)

刺身盛合せで一番印象的だったのがユッケ。
かなり細かくたたいたお肉だが、旨みがしっかりとしていて味が濃い。
このユッケはもっと食べたかった。

牛トロ握りは確かに旨いが、もう少し薄切りの方が食感がさらに冴えたであろう。

名物(?)のトロタンは、タン元という話であったが食感と旨みがいまひとつ。
やはりタン元の隠し包丁はあまり好きじゃないなぁ。
なんだか勿体無いし。

オススメされたウチヒラは柔らかな食感で、赤身らしい旨みがある。
これは旨い。

ハネシタは蕩ける食感が弱く、しつこさが強すぎて旨みが感じられない。
塩でハネシタを食べさせるなら、もう少し食感を活かすカットに工夫が欲しい。

これもオススメされた金山寺味噌漬けクリ。
味噌漬けにされたクリ。
赤身の味わいが味噌の風味に消されているが、これはこれで旨い。
特に塩味は飽きやすいので、この味付けは特にありがたい。

上ミノは・・・、普通かなぁ。

焼きしゃぶは薄切りのサーロインを陶板で焼いて、シャーベット状のポン酢で食べるというもの。
焼きしゃぶと言って食べるにはちょっと厚めのカットに期待が高まる。
感想としては、とにかくシャーベット状のポン酢にはつけない方がいい。
ポン酢が冷た過ぎて、ただでさえしつこかった脂が恐ろしくくどく感じる。



久しぶりに訪れてみたが、印象がかなり良くなった。
塩味が続きすぎると、どんな部位を食べてもなんだかよく分からなくなってしまいがちだが、金山寺味噌漬けに救われて、塩のお肉も美味しく食べられた。
色々な工夫をしているメニューが多いのも特徴だが、空回りしてしまっている部分があるように感じる。
誰かちゃんと味見してるんだろうか!?