No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2011年9月2日 炭焼喰人


2週連続の塊肉祭り。
1週間前は塊肉東京一の"格之進R"、そして今回は塊肉神奈川一の"炭焼喰人"。
今回は驚異的な塊肉を食べる為に、ある程度の人数が必要だったのだが、普段の焼き仲間はなかなか平日にセンター南まで来てくれない(涙)
私は千葉まで帰らないといけないのに!
そんなわけで、ブログで募集したところ、ありがたい事に参加者が5人ほど現れてくれた。
感謝っす。
さて、驚愕の塊肉祭りの開始です!
炙りレバ
舌触りは良いが、甘みがちょっと弱いかな。
ただ、炙りなので仕方ないかも。
満足度 3

ちなみに個人的なレバの経験だと、炙るとレバの甘みが弱くなって、逆に臭みの原因となるように感じる。
鮮度の悪くなったレバは生ではなく焼きで食べさせるお店が多いが、逆に火を通しても甘みが強くて旨いレバって本当の極上物で、鮮度の悪いレバを焼いても臭いだけだと思う。
そんなレバを刺身で食べれた瞬間が幸せ。
タン元(ドライエイジング
同じカットでドライエイジングウェットエイジングの食べ比べ。
ドライエイジングのタン元は、芳醇な香りが鼻に抜け、濃厚な旨みが広がる印象が強い。
満足度 4

タン元(ウェットエイジング
続けて食べるからこそ感じる違いだと思うが、ウェットエイジングのタン元の方が、口に溢れる肉汁の感覚が堪らない。
甲乙付け難いが、個人的には今回はドライエイジングに軍配があがるかな。
満足度 4

内モモ
大振りなサイコロカットの内モモ。
味の濃さは長期熟成の賜物だろう。
火入れによって食感がかなり変わるので色々試してみたが、それでももう少しだけ薄い方が食べ易いかな。
ステーキカットで本領発揮すると思われる。
満足度 3


ここから遂に本当の塊肉祭りが幕を開ける。
リブロース
ベルリンの壁を彷彿させる姿。
ステーキ屋さんでもなかなかお目にかかれない厚さだ。
弱火の真ん中で表面に火を入れつつ、時々休ませながら火を入れていくこと約20分。
焼き上がったリブロースは、芯と巻きに分けてカットしてもらった。
芯は上品でありながら、一気に押し寄せる旨みの洪水に押し流される。
巻きの強烈な甘みは、しつこさなど微塵も感じられず、さっぱりとしている。
満足度 5




シャトーブリアン
極厚のシャトーブリアンは、その肉繊維の柔らかさで網の上で支えないと自立が出来なくなってしまうほど。
旨みは勿論だが、その食感を最大限に楽しみたいシャトーブリアンは上下2面のみを最も火力の弱いところで焼いていく。
いや、焼くのではなく、火を入れて熱を伝える、といったイメージかな。
火を入れない側面は、内部で行き場を失った肉汁で見事に膨らみ、その弾力は官能的である。
ゆっくりと約50分かけて火を入れたシャトーブリアンの断面は、我ながら完璧な焼き上がりで自画自賛。。。
ほとんどの人が、一噛みで言葉を失うすごさ。
ヒレでしか体験できないその食感、脳まで響くような旨み、その全てが衝撃的。
満足度 5+



サーロイン
焼肉屋さんはおろか、ステーキ屋さんでも見たことがない1kg超のサーロインを焼き上げる。
"鎌倉山"以外でこんなサーロインに火を入れるところってあるだろうか!?
まず、肉繊維に対して垂直なカットされた2面に火を入れる。
続いて、脂の付いた背の部分を焼き切るイメージでしっかりと火を入れるのだが、炭との距離の問題で炎が上がってしまう。
何度も位置をずらし、何度も休ませること約1時間。
肉の塊はパンパンに膨らみ、表面を押すと、なんとも心地良い弾力に仕上がった。
黒毛和牛と生産者にも申し訳ないが、焦げた部分は贅沢に落としてもらって、豊富な肉汁が行き渡った部分のみを味わう。
36ヶ月肥育の雌牛の旨みが余すところなく感じ取れる。
噛む毎に零れ落ちる肉汁にうっとりしていたのは私だけではないだろう。
満足度 5+







バラ
バラをこんなカットで食べたことがある人ってどの位いるのだろうか。
終盤と言うこともあり、さすがに重く感じるが、それでも去勢であったら、食べ切れなかっただろう。
重さの中にカルビらしいジュワーっとした旨さあり。
満足度 3



ヒレ
先程食べたシャトーブリアンの隣の部分は薄切りタレで。
カットや部位による食感の違いは面白い。
そして赤身本来の旨みが濃厚。
"くにもと"のような柑橘系のタレでも食べてみたい。
満足度 4

雌牛や長期熟成といった拘りのお肉を巨大な塊で焼き上げて食べる。
肉好きには最高の贅沢であり、忘れられない思い出となった。
山本店長、お店のスタッフ、そして同席してくれた肉マニアの方々ありがとうございました。