No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2011年9月29日 金竜山

金竜山に挑むこと、すなわち、雪山の頂を目指すことに似ている。
予約困難な状況は、まさに、来るものを拒む厳しい雪山の状況ではないか。
そんな雪山へのアタックは慎重にルートを外さずに登頂しなくてはならない。
アタックの前に、まずは麓で栄養を摂取。
艶やかな上タン塩は、アタック前の我々の胃袋どころか、心まで暖めてくれる。


いざアタック開始。
並とは思えないカルビに一同驚きを隠せない。
他のお店では確実に上レベルだろう。

更に登ると、早くも雪が増えてくる。
中カルビはザブトンっぽいが、その細かなサシはパウダースノーのようだ。
口に含むと、肌理の細かさがよく分かる。


雪山を慌てて登るのは危険なので、ここらで小休止。
上ミノとコブクロは金竜山で必ず頼むメニュー。
ザクザクとした食感の上ミノ。
ぷっくり膨らんだ身体から肉汁を飛び散らせるコブクロ
どちらも旨い。


再び登頂を始めた我々の目の前に立ちはだかるのは、さらに深い雪。
上カルビは甘みが一際強い。

やっと8合目辺りだろうか。
サーロインを使った特上カルビは見事の一言。
びっしりと入ったサシに負けない旨みが味わえる。

つい頂上に辿り着いた。
頂上で待ち受けているのは特上ロース。
細かなサシの口解けは申し分なく、サシとタレの甘みがご飯をかきこませる。
それにしても、頂上の眺めは、なんと美しいのだろうか。

雪山へのアタックは下りも気を抜けない。
最後はハラミで〆る。
これは食感を楽しむハラミかな。

今回も無事にアタック成功。
しかし、金竜山に挑むと、『焼肉とは何か』ということに気づかされる。
永遠に守って欲しい名店であり、険しい雪山である。