No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2011年12月22日 仙珠


年に1度か2度しか訪問できないのだが、それでも気に入って通っているのが"仙珠"。
今年の前半の2周年記念の時に訪問して以来だが、辛抱堪らず仙川まで行ってしまった。
今回も店主にお願いしてお任せで。
最初のお皿は、レバ刺し、炙りユッケ、センマイ刺しの盛り合わせ。
特にレバ刺しの甘みが強くて印象的。



2皿目はタン元の盛合せで、薄切りと厚切りの食べ比べができる。
薄切りは1人2切れあるので、温める程度と軽く炙る程度という感じに食べ比べ。
一方、厚切りは表面をカリッと焼き上げ、中の旨みを十二分に堪能できる。


3皿目は赤身の盛合せ。
"くにもと"を彷彿させる木箱での豪華な盛合せは、肩三角、ランボソ、友三角が塩で、芯々、亀の甲、イチボ、ハラミ、シキンボウがタレで。

肩三角は赤身らしいコクが感じられる。


肩三角とは全く違った風味を感じさせてくれたのがランボソ。
上品な食感。


友三角はサシに負けないしっかりした味わいがある。


塩も旨いが、やはりタレ!と感じさせてくれたのが芯々。
赤身のコクとタレと絶妙なマッチング。


亀の甲もなかなか。


赤身の盛り合わせで1切れしか選べないとしたら、イチボを選びたい。
何度も何度も噛み締めたくなる味わい。


見るからに上質なハラミは、イチボに肉薄するレベル。
肉繊維を噛み千切るとほとばしる肉汁は強烈で、塩でも食べてみたいお肉。


シキンボウはタレで活きる部位かな。


まだまだ終わずに、霜降りの盛合せである4皿目に突入!
ザブトンとサーロインは塩で、ミスジ、肩ロース、特選リブ芯、リブ巻きはタレで。

ザブトンは、"ジャンボ"で食べ慣れてしまっている故、食感で物足りなさを感じてしまう。


サーロインは、まさに蕩ける食感だが、味が飛んだ印象を受ける。


ミスジはすごいサシで、なかなかの厚切り。
序盤であれば良かったかもしれないが、この地点ではちょっと脂がきつく感じる。


肩ロースは、贅沢な肩ロースの芯部分。
繊細な食感で、甘みも抜群。


特選リブ芯も芯部分のみで、食感はすごいが、サシが勝ちすぎててかなりきつい。
終盤に連続で攻めるよりは、"七厘"のサーロインように序盤で食べたかった。


リブ巻きもサシに赤身が負けてしまっているのが残念。
コースの終盤ではなく、単品であればまた違った印象だったかもしれないが。


遂に最後の5皿目。
最後はなんとシャトーブリアンの食べ比べで、黒毛和牛の薄切りとホルスタインの厚切り。
黒毛和牛の薄切りは、しっとりとしていて、旨みもある。
ホルスタインは想像している以上に悪くない。
やはりヒレは、去勢や黒毛和牛以外でもそれなりのクオリティが感じられるのだ。



〆はコプチャン、ハチノス、牛筋などがたっぷり入った鍋。
しっかりと出汁がでていて、満腹でもペロリと食べれてしまう旨さ。

場所柄と似つかわしくない肉質、そして肉質を引き立てるタレ。
相変わらずリスペクトすべき名店であった。
勝手に焼肉不毛の沿線と思ってしまっている京王線だが、仙川にこの"仙珠"がある限り、私は京王線に(たまに)乗り続けるであろう。