No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2012年1月6日 炭焼喰人





衝撃的な第1回塊肉祭りから4ヶ月。
遂に第2回塊肉祭りの開催日が訪れた。
人数が前回より多くなったおかげで、塊肉のラインナップも更に充実。
これほどお肉を焼いてきても、経験したことのない世界が待っていた。
その世界とは・・・。
タン
生の黒タンの皮を剥いで、1本そのまま焼き上げる。
ローストビーフのように焼き上がったタン。
正直、タンに限っては、塊焼きよりもカットしてから焼いた方が旨いと思っていたのだが、その勝手な想像を見事に打ち砕く体験が待っていた。
タン元は滑らかな舌触りで、なんとも官能的。
噛み締めれば、旨みがグッと感じられる。
また、タン先部分の旨みも濃い。




ガリ
通常横隔膜の仕入れは、ハラミ2本とサガリの1頭分のセット毎だが、今回はその1頭分を。
真ん中の筋で切り分けられた状態で焼かれたサガリは、カットすると肉汁がとめどなく溢れる。
そんな肉汁をソース代わりに付けて食べると、肉食の本能を刺激する味わい。



ハラミ
ガリよりも肉繊維の太く、より弾力を感じる肉繊維。
ガリのような密度ではなく、よりジューシーな旨みに溺れる。



トモサンカク
丸のままの運ばれてきたトモサンカクには、驚くほかない。
さすがに網に乗らないので、3つに切り分けてもらった。
風味が強く、塩をつけなくてもお肉の味がしっかりとしている。
薄切りで食べるトモサンカクとは全く違う食感で、火の入り具合の違いによる食感の違いも面白い。





イチボ
トモサンカクと同じ個体だが、こちらの方がより熟成感を感じる。
じっくりと火を入れられた肉片は、適度な噛み応えとともに、味わいが深く、お肉を食べること自体の喜びを教えてくれる。




ザブトン
一口サイズの四角いカットのザブトンが普通、というか当たり前だが、これは網にやっと乗っかるザブトンの塊。
90分かけてじっくりと火入れを行った塊はパンパンに膨らみ、カットされる瞬間を今か今かと待ちわびているように見える。
今まで食べたことのあるザブトンとは、全く違ったお肉である。
部位的にはイチボの程の深みはないと思うので、ローストビーフのようなソースをかけて食べてみたい。
また、別次元の旨さになると思うのだが。





シャトーブリアン
炭が白い灰をかぶり、ほど良い状態になったところで、1kgのシャトーブリアンは500gずつの半分にして網の上に。
炭火だと、ガス火で500gを焼くのとは別次元のレベルで火が入る。
厚切りになればなるほど、炭火、そして炭の状態や質が如実に現れる。
う〜ん、素晴らしいシャトーブリアン
厚切りのシャトーブリアンをこのレベルで提供してくれる焼肉屋さんが他にあるだろうか!?








サーロイン
サーロインも1kg。
すでに満腹の人も多かったが、じっくりと噛み締めてみると、その上質さが十二分に伝わってくる。
脂のしつこさもなく、さらっとした甘みに旨みが乗っている。



焼肉を超えた焼肉、を感じさせる塊肉。
薄切りでは決して味わえない世界があることを実感。
ただし、薄切りより厚切りが旨い、ということではなく、それぞれの部位の良さを最大限引き出すことや、焼肉の可能性の一つとして、この厚切りの研究を今後も続けていきたい。