No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2012年1月5日 トロワフレーシュ TROIS FLECHE



2012年のFirst Meatは焼肉ではなくステーキ。
"あわ皮"から独立して"ドンナチュール"の立ち上げ時から働いていた方が、更に独立して立ち上げたのが"トロワフレーシュ"である。
スタイルは"ドンナチュール"に似ており、3種類のお肉から食べたいお肉をセレクトする。
ちなみに"ドンナチュール"では、黒毛和牛のサーロイン(霜降り多め)、サーロイン(霜降り少な目)、ヒレの3種類だが、"トロワフレーシュ"では、霜降り少な目の黒毛和牛のサーロインの代わりに、岩手短角牛のサーロインをラインナップしている。
せっかくなので、3種類の食べ比べをしてみることに。
まずは岩手短角牛のサーロイン。
短角牛らしい濃い赤身だが、一口食べて唸るしかなかった。
見た目からは想像もできないほど繊細な食感で、サシの量ではない赤身の肉質に驚いた。
しかも、一噛み毎に伝わる旨みは、極上のスープのようだ。
この食感と旨みは、素材を知り尽ているが故に到達できるものだろう。
一口食べてから、岩手短角牛のサーロインを食べ終わるまで、唸ることしかできなかった。
満足度 5



続いて、黒毛和牛のヒレ
全くカットされていない1本のそのままから、中心部分のシャトーブリアンを焼いてもらう。
断面の見事なグラデーションに目を奪われながら食べると、身体に電流が流れた。
何故こんな焼き加減が可能なのだろうか。
牛の全ての旨みがそのまま100%身体に入ってきたようだ。
肉繊維1本1本が黄金色に輝いているような錯覚すら受ける。
満足度 5+



最後は黒毛和牛のサーロイン。
おおおぉ
短角牛のサーロインでは唸ったが、黒毛和牛のサーロインでは震えた。
カリッとした表面の焼き上がりではなく、パリッとした、より薄い表面の焼き上がり。
この紙1枚の火入れによって閉じこめられた旨みは、オブラートが口の中で溶けた瞬間のように、爆発的に味覚、そして脳に刺激を与える。
満足度 5+



打ちのめされた。
こんな焼き上がりを私は焼肉屋さんで実現できっこない。
あまりにすご過ぎる。
同じ"あら皮"系でも、"哥利歐"や"ドンナチュール"では味わえなかった感覚。
そして、値段はその2つよりも安いというのが信じられない。