No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2012年3月29日 ドンナチュール DONS de la NATURE


1月に"トロワフレーシュ"で食べた岩手短角牛と黒毛和牛。
その豊かな旨みだけでなく、神懸り的な焼き加減は炉窯でしか体現できないものと思ってしまう。
そんな衝撃をもう一度味わいたくて、今度は"トロワフレーシュ"の店主が独立前に働いていて、尚且つ"あら皮"から独立して出展した"ドンナチュール"に数年ぶりに行ってみた。
以前行った際には、旨いことは旨いのだが"トロワフレーシュ"や"島"初訪問時のような衝撃はなかったのだが、それを確かめの再挑戦である。
常陸ヒレ
お店の方が「とにかくオススメ」と言っていたが、炉釜の構造上400g以上で焼かなければならないとのことで、400gオーダー。
とにかく、このヒレには驚く他なかった。
焼き上がりは焦げているのだが、私に切り分けられた部分は焦げだけの部分で、とにかく苦味がすごい。
表面は焦げきっているにもかかわらず、中は火が入っていないと言うよりも、熱が入っていなくて、常温状態。
更に、風味や旨みが全く感じられないどころか、酸化に近い臭みが強い。
正直、このクラスのお店で、このクラスのステーキを出されたのは生まれて初めて。
とにかく、食べきるのが辛かった。
満足度 1(値段を考慮すれば0)



島根田村牛サーロイン
ヒレに比べて焦げが少なく、肝心のお肉に臭みがないので、ヒレよりは食べやすい。
ただし、火入れは同じ状態なので、お肉のポテンシャルは全く感じられない。
満足度 2(値段を考えると1)



炉釜を使っているにもかかわらず、中まで火が入っていないこと。
とにかく焦げの部分が苦いこと。
お肉(ヒレ)の状態があまりに悪いこと。
あくまでも体感であるが、数年前とほぼ同じ量を食べて、値段は1.5倍から2倍に感じられたこと。
等々。
この日の私の身体に、この日の"ドンナチュール"のステーキがあまりに馴染まなかった。
きっと『たまたま』であったとは思うのだが、『たまたま』でも我慢できる値段ではないのが悲しい。
心も財布も折れてしまい、ここ数年間で初めて『しばらくお肉を食べたくないなぁ』と感じた夜であった。