No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2012年5月15日 七厘


今回も焼肉屋さんと焼肉を食べる焼肉勉強会。
焼肉勉強会を通して、新しい焼肉の知識を吸収できるのは勿論だが、一緒に食べる焼肉屋さんが目指す姿をより一層知る事ができるのだ。
今回は、全ての焼肉屋さんに一度は食べて欲しいと思える名店"七厘"でお任せコースを。
幻のタン
このすごさを表現する言葉がなかなか見つからない。
香り、食感、旨みの全てが完璧なのだ。
タン元だけはぜひプレーンで食べたくなる。
満足度 5


サーロイン
黒毛和牛の醍醐味である脂の質が一番よく分かるのがサーロインではないだろうか。
黒毛和牛特有の香りがスーと鼻に抜け、口の中には甘みが広がる。
満足度 4

ハラミ
通常は内臓扱いのハラミだが、近江や松阪では正肉と一緒に扱われる為、ブランド牛を名乗れるのだが、今回は近江牛のハラミ。
ハラミの醍醐味と言えば、荒々しさを感じる肉繊維だが、この近江牛のハラミは何ともそれを感じない。
しっかりとした肉繊維を感じるのだが、それが繊細さすら感じる。
以前"よろにく"で食べた松阪牛のハラミのようだ。
好みがあるだろうが、私の個人的なツボにはまってしまった。
満足度 5+

巻き
巻きは脂が強いので、カリッと焼き上げるのが好きなのだが、今回は敢えて軽めに焼き上がる。
赤身の味をみたかったのだが、これが実に素晴らしい。
サシの強さに負けない旨みが感じられる。
満足度 4

シンシン
見ただけでは分からないほどサシがびっしりと入っている。
コクのあるシンシンの赤身の質を考えると、ちょっとサシが強く感じる。
しかし、旨いことは間違いない。
満足度 4

トモサンカク
ここまで細かなサシがびっしり入ったトモサンカクには、そうそうお目にかかれない。
期待通り甘みは強烈で、さすがに赤身の味は負けてしまっている。
黒毛和牛らしい香りも楽しめて、旨い。
満足度 3

カメノコ
サシの強いタレ物の後に、さっぱりとした赤身を塩で食べさせるとは・・・。
計算し尽くされた演出。
肉汁に乗った旨みが堪らない。
満足度 4

ヒレ
最後は厚切りのヒレで、変化と驚きを与えられる。
決して焦がさず、それでいて、中までしっかりと火を入れる。
口の中で広がる食感や旨みも素晴らしいが、このヒレは喉越しまで素晴らしい。
満足度 4

切り落とし
相変わらず、最強の肉質を保った切り落とし。
都内最強の切り落としがここにある。
満足度 4

高いお金を出せば美味しい物が食べれる、というわけではない。
一生懸命なお店で高いお金を出せば美味しい物が食べれるのだ。
しかし、高いお金を出さなくても、恐ろしく美味しい焼肉が食べれるお店がある。
お肉を食べて感動し、お会計をして更に感動する。
そんなお店の筆頭と言えば、"コソット"と"七厘"ではないだろうか。
財布の中身を気にしながら焼肉を食べている私のような人間にとって、絶対的な予算が少ないこれらのお店はなくてはならない存在だ。
焼肉好きが高じて焼き頻度が上がってしまっている方は、クオリティとCPで絶対的な力を見せてくれる、これらのお店の扉を開いて欲しい。