No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2012年7月6日 九州和牛 SATOブリアン


中央線沿線というのは、意外に焼肉屋さんの名店が少ないように感じる。
私が知らないだけかもしれないが、利用者数を考えても、本物の焼肉屋さんがもう少し増えてもいいようなものだが。
そんな中央線沿線の阿佐ヶ谷に、昨年デビューしたのが"SATOブリアン"である。
シャトーブリアン好きの佐藤さんが店主というだけで、ワクワクしてしまうのは私だけではないはず。
研究熱心な佐藤さんらしく、約1年前のオープンから色々な点がインプルーブしている。
特に仕入れルートに力をいれており、中でもタンとハラミは、東京では滅多にお目にかかれないような極上物が入荷するようになった。
今回は、"SATOブリアン"でぜひオーダーして欲しい『タン、ハラミ、シャトーブリアンをBカット』でお願いした。
タン
大迫力のぶっとい黒タンの根本の部分が、贅沢な厚切りで登場する。
まず前歯でサクッと噛み切れる最高の歯応えで、生タンらしい風味と強い旨みがある。
満足度 5

ハラミ
1頭分のハラミから数切れしか取れないであろう分厚いカット。
肉繊維を噛み千切ると、極上の肉汁スープで口の中はいっぱい。
塩加減が弱いので、インパクトが少し弱くなってしまうのが勿体無い。
満足度 4

シャトーブリアン
A5が品切れということでA4のシャトーブリアンだが、A4のシャトーブリアンは初訪問以来かも。
A5やA4といったサシの等級の問題ではなく、赤身の旨み自体が少し弱い。
ただ、状態の良いシャトーブリアンを分厚いカットで焼き上げているので、食感には大満足である。
満足度 4


最初にも書いたが、やはりタンとハラミは極上物がスットックされている。
この仕入れ努力には本当に頭が下がる。
逆に勿体無いのは、素材の力に頼りすぎていて、ただお肉を切って出すだけに見えてしまうこと。
タレにもぜひ力を入れて欲しいが、まずはお肉の部位とカットによる塩の種類や量の調整がされると、満足度は跳ね上がるのではないだろうか。
最高の素材を活かすも殺すもお店と焼き手というのが焼肉であろうし。
この1年間での進化がこのまま続けば、近いうちにワンランク上の名店になりそうなポテンシャルを持ったお店なので、ぜひお客さん全員で応援したいものだ。