No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2013年3月27日 にくの匠 三芳


残念ながら、私にはくいしんぼー山中での感動に浸っている時間はなかった。
急いで向かったのが"三芳"。
京都らしい店構えに期待が高まる。
今回は霜ふり和牛コース。

春うどと梅肉のお出し
出汁がスーと香り、なんとも言えない旨さ。

ミスジとフルーツトマトのジュレがけ
ミスジを出汁くぐらせているのだが、そのタイミングが絶妙で、ジュレとのバランスの完璧。
満足度 4

牛タン昆布〆
牛タンの昆布〆は今まで何回か食べたことがあるが、生臭さが出てしまうものが多かった。
だが、この昆布〆は臭みなど皆無。
牛タンの旨みを昆布の旨みが更に押し上げてくれている。
満足度 5

牛トロの炙り
サシだけを溶かすような炙り方で供される。
甘みが強くインパクトがある。
満足度 4

春キャベツのハラミ包み蒸し
まずはそのまま飲んで出汁を楽しみ、続いてハラミの包みを破き、ハラミの肉汁と出汁との相性を楽しむ。
食感的にはハラミとは分かり難いが、その旨みはハラミのそれだ。
満足度 4


しぐれ煮の蒸し寿司
卵の下にしぐれ煮が隠れている。
意外に軽く、牛肉の主張は弱い。
満足度 3

筍とテールの焼き合わせ
細かく隠し包丁が入っているので、テールのプリプリ感はなく、ねっとりとした食感。
旨いことは旨いのだが、もう少しテールの食感があった方が個人的には嬉しい。
満足度 3

霜ふり和牛しゃぶしゃぶ
熟成の浅いものと深いものの2種類で風味の違いを楽しめる。
とにかく出汁とお肉のマッチングが絶妙で、ポン酢も素晴らしい。
満足度 4

ヒレステーキ
炭火で焼かれたシャトーブリアンは見事な火入れ。
肉の旨さが立ち上がったところを食べさせてくれ、コースのメインを見事に飾ってくれる。
満足度 5



サーロインステーキ
京都の亀岡牛というブランド牛とのこと。
脂の甘みのインパクトがあるが、融点はそれほど低くない。
満足度 4

ヒレステーキ フォアグラ乗せ
シャトーブリアンではなく、サシの弱い端っこを使いフォアグラとあわせてある。
和と仏の融合が京都で起こっている。
ヒレは滑らかな舌触りで、フォアグラも文句無しで旨い。
満足度 5

"いっしん"と比べると、明らかに牛肉が主役になっていて、料理に牛肉を添えるのではなく、牛肉を料理している感じで王道と言える。
牛肉と出汁の融合は"よろにく"でもされているが、この"三芳"のレパートリーと完成度には拍手を送りたい。
さすが京都の名店、と感服せざるを得ない。