No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2013年6月 焼肉屋さんのしみず


お肉に関する新しい知識を得ることは喜びというか、私にとっては最高の快楽といえる。
今回は東京で宮崎の尾崎牛と北十勝の短角牛を卸しているお肉屋さん『eatmeet』の星野さんと肉談義をする機会を得た。
星野さんは非常に生産者のことを考えた方で、焼肉を食べながらの肉談義は白熱し、追加のお肉の注文ができなかったほどだ。
煮込み
まずは煮込みで胃袋を温めるが、しっかりと煮込まれており、最後の汁1滴まで旨みが感じられる。
満足度 4

厚切り上タン
見ただけで興奮してしまうような極上のタン元を、己の焼き技量を試すかのように全力で焼き上げる。
むっちりと詰まった肉繊維は心地良い歯切れを実現し、雑味のなく、どこまでも力強い旨みが溢れ出す。
満足度 4


ガリ
タン元の登場で上がった歓声が再び上がったのがサガリのハラミの盛合わせが運ばれてきた瞬間。
一口サガリにかぶりつけば、断ち切れた肉繊維が香る風味と溢れんばかりの肉汁。
満足度 5

ハラミ
ガリと同じ個体のハラミは、繊維の1本1本がまだ生きているかのような生命力を感じずにはいられない。
この厚さがあればこその噛み応えと本能に眠っている野生が呼び起こされるような味わい。
満足度 5

クリ
"しみず"で絶対的にオススメなのが5種盛り合わせで、内容はその日の仕入れ次第。
この日の盛合わせの中でトップバッターに選んだのはクリ。
丸めて一口で頬張れば、じんわりと赤身らしい旨みが届く。
満足度 4

肩ロース
肩ロースの芯を贅沢に掃除した一品。
サシの甘みもあるのだが、その甘みが実にさわやかで赤身の味わいを下から押し上げるようだ。
満足度 5

サンカク
"しみず"の正肉は肩を仕入れているので、バラは三角バラが入る。
他の部位と比べると脂の強さがあるので、赤身の風味をぼやかすが、焼肉としては完成度高し。
満足度 4

ミスジ
一昔前は何処もかしこもミスジミスジと騒がれていたが、最近は落ち着きを取り戻した感がある。
希少性を除くと、その旨さの源は食感によるところが大きいが、このミスジは旨みの点でも素晴らしい。
満足度 4

ザブトン
三角バラと同じ1枚の筋肉だが、その味わいは驚くほど違う。
より繊細な食感と脂の質もわずかに軽く感じる。
満足度 4

焼肉は旨かった。
星野さんとの肉談義も有意義だった。
こんな時間を過ごせたことに感謝したい。
そして自分の中で尾崎牛への関心が急激に高まりつつあるのを感じる。
久しぶりに食べてみたいなぁ。