No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2013年7月 自宅(吉澤)


有難いことに出産祝いをいただいた。
それも私が最も嬉しいお肉で。
勿論赤ちゃんも私の腕の中で喜んでいるように見える。
贅沢過ぎる組み合わせのお肉なのだが、まずは月齢31ヶ月雌の播州牛ロース。
そして月齢28ヶ月雌の田村牛肩ロース。
これからは生産者でお肉を選ぶ時代が来ていることを実感するような特徴のはっきりと出たお肉達。
井相田さんの育てた播州牛は融点の低いサシの甘みがスーと広がり、すき焼きの割下と絶妙に絡み合う。
そして絹糸で編んだような肉片からは深い味のある味わいが幾重にも重なる。

田村さんの育てた田村牛は肩ロースという部位の特徴もあるが、赤身のコクがしっかりと感じられ、何枚でも食べたくなってしまう。

やはり黒毛和牛のロースは醤油が感じられるすき焼きの割下が最高にマッチする。
これは日本人のDNAに刻み込まれた記憶なのだろう。
最高の牛肉こそロースにその違いが出る。
肉好きは今こそロースに帰るべきではないだろうか。