No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2013年8月 虎の穴 恵比寿店


焼肉屋さんに飛び込み、白米片手に好きな部位を好きなだけ一気に食べる。
そんな焼肉の楽しみ方は大いにアリだろう。
しかし計算し尽くされた流れに身を任せて、1つの物語を読み進めるがの如く焼肉コースを堪能するのもアリではないだろうか。
そんな物語を味わえる劇場が恵比寿と広尾の間にひっそりと存在している。
今流行の熟成をうたっているわけでもなく、ましてや希少部位や霜降りを押し出しているわけでもない。
鮮度抜群のホルモンを主役とし、それを引き立てるかのような僅かな正肉と肉をより旨く感じさせるサラダ等が脇役として控えている。
そして今夜も劇場の幕が上がった。
まずは『起』。


ツラミ刺し

コブクロ刺し

ポッサムチョッサム
何度食べても飽きない。
様々な脇役が豚足を引き立てている。

レバ刺し焼き

筋レバ刺し焼き

ここら辺から『承』だろうか。
タン元
まずは薄切りをわさび醤油、続いて塩胡椒にレモン、そして厚切り。



イチボ
物語を通して唯一の正肉。

そして物語の核となる『転』に突入する。
どのホルモンも鮮度の良さを物語るような食感で臭みなど微塵も感じられない。
ミノ
見事な包丁捌きに拍手を送りたくなるようなカット。

センマイ

シマチョウ

コブクロ
経産特有の分厚さ。

タン筋
レア焼きとよく焼きの2枚を一緒に食べることで口の中で奇跡の化学反応が起こる。

ハラミ特塩
"虎の穴"にきたら必ず特塩を食べなければならない。
これは義務だ。
それほど旨い。

サラダを挟んで塩味から醤油ダレに変わる。

ヤン
奇跡の食感。

シマチョウ
谷間に目が釘付け。

そして若干辛みのあるタレへ。
コプチャン

レバ

ミノ

最後の締めくくりである『結』。
ハラミ
勿論ダメ人間セットである。
このタレはご飯とハラミを世界で一番旨い食べ物にしてくれる。

あとがきを書かねばならないだろうか。
しかしその前に是非全てのホルモン、ハラミ好きにこの物語を読んで欲しい。
私は感動して泣いた。