No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2014年6月19日 七厘

「ブランドには拘りません。
見て触って切ったら良い牛でした。
後で調べたら『田村牛』でした。
これが私のやり方です。」
これは"七厘"店主・中原さんの言葉。
痺れる言葉ですな。
東京のトップに登りつめた後も更なる進化を続けている理由は、中原さんの姿勢からよく分かる。
そして今のところ辿り着いたのが田村牛なのだろう。
思えば、私が初めてお肉を食べて心から感動したのが田村牛だった。
あれから20年近く経っているが、今も変わらず感動を与えてくれる田村牛という存在には感服するしかない。
この日の同行者とは初めて焼肉だったこともあり薀蓄コース(ひたすらウザイほど薀蓄付きで私が焼く)を。
田村さん、中原さん、私とバトンタッチされたお肉を延々と続く薀蓄と一緒に食べてもらう。
普通の人には重すぎたかもしれないが、今回の同行者には喜んでもらえたと信じたい。。。
幻のタン
タン先やタン筋はそれぞれの食感を活かした薄切りで、タン先はサクサクとした食感、タン筋は筋から出る独特な甘みが秀逸。
タン元は十分なサシが入って艶やかなピンク色だが、食べ��時に嫌な重さは全くなくムッチリサクサクの食感で香りの良さも抜群。
満足度 5

サーロイン
普段お目にかかる個体とは明らかに違う繊細で粘りのある肉質、そして舌の上でじんわりと溶け甘みを放つサシ。
何より肉の味が格段に濃い。
これぞ田村牛!と言っても過言ではないレベルで、やはりサーロインこそ肉の差が出る。
満足度 5+

ガリ
ぐっと詰まった肉繊維は肉々しさを感じる食感で、奥歯から歯茎、歯茎から喉へと純度の高い旨みが流れていく。
満足度 4

ザブトン
柔らかく蕩けることは悪いことじゃない。
柔らかく蕩けるだけじゃなく、そこに肉の旨みとしつこすぎない甘みがあるのであれば。
これが極上の黒毛和牛のザブトンだ。
満足度 4

シンシン
見事な水分と飛び具合とモミダレの絡みが抜群。
肉の味も言うことなし。
満足度 4

トモサンカク
サシの甘みをはじめとした黒毛和牛の良さが存分に発揮される部位。
舌に逆らわない柔らかさも食味を引き立てる。
満足度 5

カタサンカク
薄切りだが、噛み応えのあるボリュームに塩味が活きる。
赤身の自己主張が強い。
満足度 4

ヒレ
常温でサシが消えてしまい、艶かしい肉肌を露にしているヒレ
舌を魅了する繊細さと旨みが高次元で融合している。
満足度 5


切り落とし
日本一の切り落とし。
満足度 4