No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2014年12月12日 新橋田村町 あら皮


肉好きの中で”あら皮”のステーキを食べたことがある方はどの位いるだろうか。
私自身も昨年初めて神戸と新橋の”あら皮”両店を体験した。
その結果、私の中で日本一旨い牛肉を食べるなら神戸の”あら皮”、その次が新橋の”あら皮”という結論に辿りついた。
およそ私のような普通のサラリーマンからは考えられないような支払額が独り歩きし、”あら皮”体験前は、お金持ちの自己満足というような印象を持っていたが、あれほどのクオリティの肉を常に確保しているというのであれば、(肉に関しては)決して高いとは思えない。
そんな”あら皮”でも12月は特別な月だ。
新橋の”あら皮”では、年に一度開催される三田市肉牛共進会における最優秀賞の牛をセリ落とすのが恒例になっているが、今年も最優秀賞『むつふく』をセリ落としているのだから。

この日食べれるのは、『むつふく』のサーロインとラムシンと通常の三田牛のサーロイン。(「通常の」と言っても”あら皮”で普段使っている日本一のレベルのものだが。。。)
身分不相応ながら、注文は『むつふく』のサーロインとラムシン。
ラムシン
フォークで口元に運んだ瞬間から香る魅惑的な和牛香り。
適度に水分が飛んだラムシンは、元々強い旨みをより凝縮させている。
奥歯に力を込めればその旨みが弾けるように口の中に広がり、肉を噛むという行為に感謝したくなる。
満足度 5+


サーロイン
前日の純但馬血統の田村牛と同じ、本物の霜降りがここにもあった。
滑らかで肌理の細かな肉繊維にサシが溶け込み、赤身の旨みを届けてくれる。
舌全体を包み込む、立体的で複雑な旨み。
思わず目を閉じ、そして笑みがこぼれてしまう。
満足度 5+++




ちなみに『むつふく』の個体情報は以下の通り。
兵庫の勢戸さんの純但馬牛、雌、33か月
丸宮土井-福芳土井-谷本土井

信じられないほど肉が旨いが、スモークサーモン等も本当に旨い。
次はいつ来れるのか全く見当もつかないが、こんなとっておきのお店を知っていることが財産になっている。