No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年5月10日 第二回本気のBBQ フェーズI(都内某所)


昨年11月に開催した<第一回本気のBBQ>。
それから約半年。
前回の課題点を改善しつつ、遂に<第二回本気のBBQフェーズI>開催にこぎつけた。
前回は当初予定していた30名を大きく上回る70名での開催となり、素人にはオペレーションがしんど過ぎた。
その為、第二回をやるのであればマックスでも半分の35人くらいでやりたいと話していたのだが、せっかく知り合った肉好きの方にはやはり声をかけたいので、フェーズIとIIの2回に分けて開催することに。
場所は、今回も六本木ヒルズや東京タワーが見える港区某所。
ここに都内の肉好きが集まってくれ、結局60人近く。。。
肉は私が今まで食べ続けることで得たネットワークから厳選に厳選を重ねて、この日の為に用意された極上品。
全国でも指折りの生産者が血統や健康状態を見ながら子牛を厳選し、拘り抜いた飼料を与え、手間暇・コストを惜しまず、丁寧に長く肥育した至宝の牛達。
その中でも特に優れたものだけを目利きの優れた仲卸業者が競り落とし、熟成過程で更に厳選されたものだけを販売してもらったのだ。
さらに生産から流通に至るまでの拘りの結晶を昇華させる事も妥協はできない。
肉は全て塊のまま仕入れ、切り置きして肉の味が落ちないように、BBQ開始の2時間ほど前から焼肉の超名店の料理長を中心に仕込みをしてもらった。
ちなみに仕込み風景も圧巻の一言。




今回仕込みをしてくれた最強の肉職人4人!

タレも抜かりはない。
“ジャンボ”や”虎の穴”といった私の中でのタレbest3を全て用意してもらった。
NOT FOR SALE !

当日のメニューは圧巻の一言。
"よろにく"に協賛してもらったヒレの炙り


"よろにく"に協賛してもらったシルクロース

分厚すぎる田村牛のシャトーブリアン





川岸さんのシャトーブリアンまで

ヒレの端肉も極上

セリに一切出ない幻の福永喜三郎商店のサーロイン



但馬牛4頭分のイチボの塊焼き



川岸さんのサーロインは西麻布の超名店の鮨屋さんの手で握りに




川岸さんのミスジ


但馬牛4頭分のイチボのタレ焼き

田村さんのサーロインのタレ焼き




但馬牛のハラミで”虎の穴”のダメ人間

この日の貴重な肉infoはこんな感じ。
ヒレ
田村さん(鳥取) 1381743142 雌 34か月 秀菊安-勝平正-安福久
田村さん(鳥取) 1360569701 雌 35ヶ月 秀菊安-福之国-福桜
サーロイン
川岸さん(兵庫) 1409317485 雌 33ヵ月 芳山土井-菊俊土井-谷福土井《純但馬血統》
田村さん(兵庫) 1339074830 雌 35ヶ月 丸宮土井-照長土井《純但馬血統》
福永さん(滋賀) 雌 《純但馬血統》        
イチボ
田村さん(兵庫) 1339183563 雌 33ヵ月 芳山土井-菊俊土井-谷福土井《純但馬血統》
山下さん(鳥取) 1381595697 雌 32ヶ月 丸宮土井-照一土井-菊俊土井《純但馬血統》
岡崎さん(滋賀) 1338330234 雌 41ヵ月 丸宮土井-福芳土井-菊道土井《純但馬血統》
ミスジ
川岸さん(兵庫) 1339183853 雌 33か月 芳山土井-照長土井-谷本土井《純但馬血統》
ハラミ
兵庫県産但馬牛

私が本気のBBQを開催する目的は、自分が一番旨い肉を一番旨く食べることだが、それ以外にも目的はある。
それが生産者をはじめとした食肉関係者に恩返しすること。
自分がここまで魅せられた牛肉というものを生み出し続けてくれる方々には感謝の念しかない。
特に手間暇やコストを無視して、拘り抜いている生産者に適正な利益がもたらされ、こういった素晴らしい宝がこれからも生み出され続けていって欲しい。
口蹄疫東日本大震災の影響がじわじわ効いてきた事による頭数の減少だけでなく、後継者不足の問題、輸出の増加、等々。
様々な要因が積み重なって、昨今の牛肉の価格高騰は目を見張るものがある。
生産者に利益がもたらされる一面があるが、実際は質が高くない商品まで高値で取引され始めるという側面もある。
今までよりも出荷時期を早め、飼料の質を落とし、牛肉そのものの質が低下し始めているのだ。
そんな中で本物の牛飼いの匠の拘りの結晶は、それに見合った適正な価格で購買されるべきであり、本気のBBQでもそういった肉だけを揃えるのだ。
BBQの参加費は高くなってしまうが、適正な価格で食肉関係者に取り扱ってもらい、参加者には普段食べている肉との違いを感じてもらう。
こんな事が繰り返されるうちに、きっと今よりも理解の深い食肉文化が構築されると信じたい。
(参考)Yakipedia by BMS12
○純但馬血統
全国に無数にあるブランド牛のほとんどは、その地域全体のブランドであり、牛の血統や飼料、生産者はバラバラである。
そんな中で兵庫県は他の県と違い、県内だけで血統管理を行い、純潔の但馬牛の血統を守り続けている。
その血統こそが純但馬血統。
身体は大きくならず小振りであるが、肉質は最上級。
かつて、松阪牛が自他共に認める日本一と呼ばれていた時代は純但馬血統のみであったが、近年は松阪牛の定義が変わり、そのほとんどが純但馬血統ではなくなっている。
また、現在、純但馬血統の松阪牛は特産松阪牛と呼ばれ、A5やA4といった霜降りの入り具合で評価される一般的な格付けをせずに別格と言える扱いを受けているほど。