No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年5月12日 焼肉酒家 傳々

本気のBBQのお疲れ様会の為に月島に集合。
”傳々”に来たことがあっても、高矢さんのお任せコースは食べたことがないという方が多いので、しっかりとスペシャルを堪能してもらう。
誰を連れて行っても、初めての人が絶対に興奮するのは前菜の盛り合わせ。
氷がびっしりと敷き詰められた清涼感のある器に、鮮度抜群の内臓類が盛られ、生や炙りで食べる。
プリプリ、サクサクといった素材毎の食感や旨みが弾けるように広がる。

続いて塩系の盛り合わせ。
単品でオーダーしたらお幾らになるのか見当も付かない内容で、タン元(薄切り)、タン元(厚切り)、ハラミ、シャトーブリアンといった具合。


同じタン元でも厚みで違うのは食感だけでなく、旨みの広がり方も全然違う。


いつ行っても最高のハラミがストックされているのが"傳々"の凄いところ。

シャトーブリアンは言わずもがな。
牛のあの体躯を構成する筋肉の一部とは思えない繊細さは絹糸のよう。


塩系は塩系でもホルモンも。

1皿一気に網の上に広げ、たっぷりのネギと一緒に焼かれるのは上ミノ。
深い隠し包丁が入ったその身の歯切れは素晴らしく、塩胡椒と柑橘がポイントとなる味付けも素晴らしい。

今更何の説明も必要でないであろう"傳々"のシマチョウは弾けるような脂の甘みと歯切れ抜群の皮が織りなす最高の産物。

この日は珍しくミノサンドまで。

ウデ、ミスジ、サガリの盛り合わせからタレ系に移行する。
それほど特徴のあるタレではないが、甘すぎず素材の旨みを邪魔しないタレにマッチした部位のセレクトは流石。
ウデは赤身らしい旨みに富み、ミスジは食感が際立っている。


逆にサガリのしっかりとした噛み応えも活きる。

いよいよタレ系のホルモンと思ったのだが、一筋縄でいかないのが"傳々"。
ここで、目が覚める程のサーロインの焼きしゃぶが入る。


それだけじゃない。
塩系の盛り合わせでシャトーブリアンを食べた時に、「次はシャトーブリアンをタレで食べたい!」と話していたのだが、次の訪問ではなく、その場で用意してくれるとは。。。
塩で食べる時の様な角がなく、まろやかな味わいに仕上がるシャトーブリアン
無言でその余韻を楽しむのが精一杯だ。



遂にクライマックスのタレ系のホルモン盛り合わせ。
シマチョウは先ほどとは違ったインパクトで甲乙付けがたいほど。

レバはトロリとした食感に、甘みが舌の上で踊り出すような感覚になる。

〆は激辛になったカレーと冷麺。
フルーツの盛り合わせとアイスコーヒーでフィニッシュ。
非の打ち所のない凄まじいお任せコースを堪能し、ただただ感服するしかない。