No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年5月17日 焼肉 しみず


私の実家は魚屋で、父親はまだ現役で仕事をしている。
子供頃から毎日魚ばかり食べてきた私にとって牛肉はずっと特別な食べ物であった。
それは私だけでなく両親もそうなのだろう。
外食と言えば定番は焼肉。
今回は親族が集まって不動前に集合した。
子供の頃は生の黒タンなんて食べたことがなく、冷凍の輸入物ばかりであったが、それでも十分旨く感じた。
しかし、こんな最高を知ってしまうともう後戻りできない。
配達が基本の内臓(正肉も同じ)の仕入れだが、店主自ら毎日内臓業者に顔を出し品物を取り行くことで買えるのは、生の黒タンの中でも最高品質の物だけ。



タンと一緒に信頼関係で仕入れられるハラミとサガリは食べ比べてこそより素材を知ることができる。
その為には、網に置く場所も焼く時間も返すタイミングも全てが違う。
サシがしっかり入ったジューシーなハラミと、より肉繊維がぐっと詰まったサガリでは、たとえ同じ厚さやカットであっても完成品は全くの別物なのだ。



珍しくガツポン酢も。

今まで何度か書いてきているが、"しみず"ほど肉の仕入れに拘っているお店は本当に少ない。
しかし、そんな極上品を"しみず"ほど安く提供してくれるお店は日本中探してもないだろう。
お客としては、もう少し値上げしても良いのでは?と心配になる程だ。
この日の5種盛りもテンションが上がって仕方ないほど旨い。
これほどの物をこの価格で出すために、清水一家がどれほど苦労しているか。
感謝の念を忘れずにひたすら焼いて食べるしかない。





家族で網を囲み、全員分の肉を焼く。
これほど濃密な親孝行の時間があるだろうか。
お父さん、お母さん、息子は立派に肉を焼けるようになりました。