No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2015年9月28日 よろにく


まったくもってけしからん。
焼肉屋がここまでやっちゃいけないでしょ。
前回の”よろにく”で秋の訪れを感じたけど、秋の深まりと共にいよいよ松茸も国産が登場しちゃったよ。
最高級の日本料理以外ではまずお目にかかれないであろう立派過ぎるその物体。
男としてちょっと憧れてしまうほどオーラがあるかも(笑)
それにしても机の上に置かれた物体から放たれる香りは別格。
無煙ロースターに吸い込まれるのが勿体ないね。


さて、”よろにく”は焼肉屋なんで、いくら国産の物体が立派だと言ってもそれに負けない牛肉が準備されている。
春日さんの月齢34か月の三田牛(純但馬牛)雌のシンシン。
じっくりと肥育された事を感じさせる濃い肉色が、その肉の味への期待を高める。
シンシン炙り
小細工なしでダイレクトに肉の味が舌に届き、どこか懐かしく芯の太い味が広がる。

シンシンのユッケ風ローストビーフ
コロコロのローストビーフは適度な噛み応えと旨みを内部に十分に溜め込んでいる。

シンシンのポン酢ジュレかけ
往々にして牛肉の味はポン酢に負けてしまうことが多いが、ここまで肉の味がしっかりしているとポン酢でも十分に成り立つ、いやポン酢が名脇役として活躍している。


タン元(薄切り)
定番の片面焼きで、火を入れてない方を外巻きにすると、滑らかなちゅるんっとした食感が楽しめる。


タン元(厚切り)
分厚いタンは香ばしい醤油焼き。
それで終わらず、これを海苔に巻くという荒技で磯辺焼きに。





シンシン(厚切り)
水っぽいわけではなく、瑞々しい肉汁は旨みの宝庫。
舌全体を包み込む旨みは贅沢なシャワー。


シンシン(薄切り)
薄切りで食べてもその主張は変わることがない。
噛み締めることで訪れる至福。

ツチノコ
繊細で密度の高い肉繊維。
レアで焼き上げればしっとりとした旨みが広がる。

土瓶蒸し
松茸とコプチャンの土瓶蒸し。
日本料理では鱧が基本だろうが、コプチャンはコクと滋味深い味わいを与えてくれる。


ローストビーフ
贅沢なヒレのローストビーフは、松茸、蕪、茄子に牛骨ジュレが添えられている。
ヒレの柔らかな食感に野菜や松茸の食感が絶妙なアクセントになっている。

シャトーブリアン
何度食べても食べずにはいられないメニュー。
ほどける様な繊細な食感にコクのある旨み、そして芳醇な香りが共存する。

シルクロース
世の中にある全ての模倣品と全く別次元のクオリティ。
肉の旨さ、タレと卵、ご飯とのバランス、全てが完璧。

ミノ
まさに貝の食感。

シルクロース蒸籠蒸し
肉の甘みと絡み合う野菜の甘み。
異なる食感の共演。
ゴマダレも旨し。







ザブトン
黄身だけですき焼き。


松茸ビビンバ
カンカンに熱せられた石鍋で松茸ビビンバを。
1杯目はそのまま。
2杯目はシルクロースを乗せてから鰹出汁投入。
松茸の香りと食感、シルクロースの甘みとコク、出汁自体の旨み、全てが高次元で融合し、とんでもない料理が完成している。





辺り一面を包み込む松茸の香り、圧倒的な存在感を放ち続けた三田牛のシンシン。
横綱クラスのペアリングは史上最高の焼肉を演出してくれた。
どうしたらもう1回食べれるのだろうか。