No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

焼ニシュラン -2015-

2011年から勝手に発表している焼ニシュランも遂に5年目に突入。
焼ニシュラン -2014-
焼ニシュラン -2013-
焼ニシュラン -2012-
焼ニシュラン -2011-
今年も2015年に食べた焼肉の中でも特筆すべきお店だけを私の好みだけで選んでみた。
世の中には良いお店もあれば良くないお店もあり、個人個人にとってそのお店は違うもの。
それでも人一倍牛肉を食べ、誰よりも牛肉を愛していると自負する身としるて、どーしても知ってもらいたい、食べてもらいたい、特にオススメ店のみここに発表させていただく。
(諸注意)

  • 2015年に食べた物だけで判断しているため、どんなに良いお店でも2015年に食べていなければここには載らない
  • 同様に訪問していても、たまたまハズレだった場合はここに載せることは出来ないし、逆もまた然り
  • あくまで私の主観

☆☆☆【このお店の存在自体が奇跡だと思う】
[よろにく]
老舗の仲卸である日山畜産から月齢30ヶ月以上の長期肥育を中心に雌の黒毛和牛のみを仕入れ、厳選した素材を最大限活かすようにその時々の個体や部位にあわせてカットや味付けを微調整している。
また焼肉の命とも言うべきタレは、甘目の仕上がりながら肉によく馴染み、抜群のマリアージュをみせてくれる。
“よろにく”が他店と圧倒的に違うのは「創作性」と「完成度」。
計算し尽くされたコースは、焼肉史を語る時に「よろにく前」と「よろにく後」に分けれるほど。
「よろにく前」は不必要なおまけが色々付いただけの、名ばかりのコースであったが、前菜からデザート、そしてご飯のタイミングと量など焼肉を最大限味わう為に計算し尽くされた流れと配分は”よろにく”が生み出したものだ。
この通常のコースを進化させたお任せコースは、肉割烹さながら多彩な肉料理が織り交ぜられた至高のコースと言える。
また、最近では牛肉に他の素材をあわせたり、色々な料理法で食べさせてくれるお店が増えたが、その完成度には首をかしげる物が多く、”よろにく”と比較してしまうと辛いくらいだ。
“よろにく”の「創造性」と「完成度」を支えるVANNEさんが、一体どこまで”よろにく”を進化させ続けてしまうのか。
最近では30ヶ月どころか40ヶ月に近い個体や純但馬血統の個体が食べれる日もあり、これで他のお店が付け入る隙が全くなくなってしまった。
もはや絶対王者の陥落する姿が想像できない。

[くにもと 本店/新館]
焼肉を突き詰めると最終的にはタレに行き着く、というのが私の持論だ。
そのタレで食べる焼肉が日本一旨いと思うのが”くにもと”である。
塩で食べるなら焼肉のような薄切りよりもステーキのような厚切りで食べる方が適しているだろう。
そして”くにもと”のタレには私が焼肉に求める究極の姿がある。
方向性の違うモミダレとツケダレの絶妙なバランス、和牛の旨みをより引き立てるツケダレの酸味など、 “くにもと”のタレは肉本来の持ち味を消すことなく見事に引き立てるのだ。
そして脂の甘みや肉本来の味わいを引き立てるにも、素材そのものが良くなくては引き出しようがない。
だからこそ、最高のタレを持つ”くにもと”には最高の肉が必要なのだ。
昔、私が”くにもと”にハマり出した頃は淡路牛がメインであったが、納得のいく淡路牛の入手が難しくなってしまったことで近年は他の黒毛和牛が使用されていた。
ところがここ最近の”くにもと”で食べる黒毛和牛が本当に旨い。
かつての淡路牛時代を超え、今が過去最高の状態なのだ。
この最高の牛肉を活かす最高のタレ。
焼肉の真髄は”くにもと”にある。

[ゆうじ]
かつて、ここまでホルモンを昇華させたお店があるだろうか!?
正真正銘の料理人である店主・樋口裕師さんは、飽くなき探求心で日々研究を重ね、休日は全国を食べ歩く。
そんな時間が裕師さんの料理の円熟味を更に深めていく。
素材のポテンシャルを最高潮に引き出すカットと味付けは、世の中に星の数ほどある他店とは一線を画す。
"ゆうじ"のホルモンは、素材そのものの鮮度を含めた質の高さはもちろん、丁寧な下処理で臭みなど一切感じられず、食感と瑞々しさが際立っている。
また、その味付けもバリエーションが豊富で、塩やタレだけでも数種類のパターンがあるのも魅力の一つだ。
特に12月に食べた塩ホルモンには最も衝撃を受けた。
普通当たり前の様に使われている胡麻油やニンニクが入っておらず、味付けは塩のみ。
食べれば食べる程に、その部位ごとに違うホルモン本来の旨みの虜になっていく。
塩しか振っていないにもかかわらず、全く臭みを感じさせないホルモン。
如何に鮮度に拘り、そして地味な下処理を丁寧にやり込んでいるかは明白だ。
ホルモン焼きの原点回帰かもしれないが、実はこれが最先端なのかもしれない。
素材と正直に向かい合った料理人だけが提供できる塩ホルモン。
シンプルな焼き物だけでなく、『料理人』である裕師さんの手によって作り出される料理は日本料理。
素材を大事にし、胃袋と心に染み渡る料理は、食べる者の心と胃袋を鷲掴みにする。

☆☆【一度でも食べれば完全にお店の虜になってしまう】
[炭火焼肉 なかはら]
2014年に三ノ輪にあった”七厘”が市ヶ谷に移転し”なかはら”としてリニューアル。
扱うのは長期肥育された雌牛の中でも赤身の味と脂の質を店主である中原さんが吟味したもので、都内の焼肉屋さんの中ではトップレベルの肉質。
それを1頭で仕入れ、水分が程よく抜け旨みが凝縮する絶妙な状態まで寝かせる。
更に仕上がった牛肉のカットには目を見張る。
切り置きを一切せず、注文ごとに手際よく牛肉に包丁を入れるのだが、そのリズミカルでスピーディーな動き、食感を最大限活かすための大胆で贅沢な掃除は誰にも真似が出来ない。
一部で値段が高いと聞いたことがあるが、素材を考えれば決して高くなく、むしろ良心的な値段設定であることは、色々なお店で食べ込んでいる人ほど感じるだろう。
常連と一見といった分け隔てがなく、全てのお客さんに最高の焼肉を食べてもらいたいという中原さんの気概と愚直な姿勢にはただただ頭が下がる。

[和牛焼肉 KIM]
“キム”には何度か通うとオーダーできるお任せコースがある。
もちろんアラカルトや普通のコースも旨いのだが、このお任せコースにこそ”キム”の真骨頂が発揮される。
洋食の経験が深い料理長・吉田さんが時間を惜しまず仕込んでくるメニューは多彩で、ハンバーガーであればバンズまで手作りだし、フォアグラが中に入ったハンバーグやじっくりと煮込まれたビーフシチュー、饂飩は手打ち、さらに刀削麺まで手作り。
お客さんに喜んでもらいたいという吉田さんの気持ちのこもったお任せコースを食べたことがない人は、ぜひオーダーできるまで通ってみて欲しい。

[Cossott’e SP]
他業種から焼肉業界に飛び込み、”ら・ぼうふ”を超人気店に育て上げたのが”コソット”の店主・込山さんである。
“ら・ぼうふ”を離れてから立ち上げた”コソット”にはカウンターがあり、込山さんの目の前のカウンターはさながらライブの最前列のようで、手際よく牛肉を調理する姿に最高潮の興奮と感動に包み込まれる。
込山さんが扱う素材も凄い。
芝浦で最も上物を扱う仲卸”吉澤畜産”から1頭丸々仕入れるのは熟練の目利きが競り落とした極上の雌牛。
研究熱心な込山さんは、メジャーな部位であるサーロインやヒレはもちろん、焼肉屋ではまずお目にかかれない外モモやスネといった部位まで驚くほど食べやすく、そして最高の美味しく仕上げてくれる。
素材の味をシンプルに味わうものもあれば、塩麹に漬けたり、細かな隠し包丁を駆使することで一般的には硬くてミンチにするような部位も驚くほどの味わいに昇華する。
実は込山さんは2016年1月末で”コソット”を離れてしまう。
込山ファンはもちろんライブ未経験は、急いで予約し、込山さんのラストステージに心震わせて欲しい。

[代官山 かねこ]
2015年も多くの焼肉屋さんがオープンがオープンしたが、No.1を挙げるとすれば”かねこ”をおいて他にないだろう。
“くにもと”の本店で5年、新館で3年修行を積んだ本物の職人である金子さんが独立したのだ。
タレは”くにもと”と同じ最高の物だが、金子さんが”くにもと”時代はタレを仕込んでいたことを考えれば当然ではある。
扱う牛肉も素晴らしい。
長期肥育の雌牛を中心に但馬血統の個体が入る日もある。
テーブル4席のみの小さなお店は、オープン間もないにもかかわらずすでに予約がしにくくなってきている。
派手さではなく、中身のある本当に旨い焼肉が食べたい人にこそオススメしたいお店だ。

[ジャンボ 篠崎本店/本郷店/はなれ]
他のお店を模倣するお店が溢れる焼肉業界にあって、オリジナリティの塊と言えるのが”ジャンボ”。
ブランドにこだわらず、常に上質なお肉を仕入れ、絶妙なカット、そして鉄板の上で煮詰まることで旨みを増す秘伝のタレで食べる。
“ジャンボ”がなければ、希少部位ブームや薄切りをさっと焼く今主流のスタイルは発生しなかったかもしれない。
それほど”ジャンボ”が今の焼肉業界に与えた影響がデカい。
驚かされるのが、これほどの存在になっても進化の歩みを止めないのだ。
2015年秋に改装工事を終えた篠崎本店は塩味用に出汁ポン酢を導入し、ハンバーグが和牛100%となり更に旨くなった。
本郷やはなれでもヒレ肉を使った和風炊き込みご飯や異常に旨いしゃぶしゃぶ等、店舗ごとに独自のオリジナリティを持ち、それぞれが進化している。
残念ながら2015年に白金店を訪問することは出来なかったが、ここもどんな進化をしているか、2016年に訪問予定だ。

[しみず]
初めて行った時の印象はとにかく安いということ。
しばらく間を置いてから行った2回目の訪問から印象が変わった。
安いのは変わらなかったが、肉質が驚くほど上がっていたのだ。
そして2015年。
申し訳なさそうに数百円値上がった主軸の5種盛りだが、扱う牛肉は田村牛を中心に川岸さんの神戸ビーフまで、日によって楽しむことができる。
今まで濃すぎてせっかくの肉の味を消しがちだったタレもまろやかに改良され、肉の味を引き立てるものへと変貌した。
焼肉屋で”しみず”と同等の肉を仕入れているお店は数えるほどしかないが、”しみず”と同等の価格で提供しているお店は1つもない。
素材だけでなく、タレといった焼肉には欠かせないアイテムも日々進化している。
これから益々目が離せない名店へと進化を遂げるだろう。

[名門]
焼肉業界に限らず、飲食業界全体を見渡しても”名門”店主・ヤッキー中村氏ほどのエンターテイメント性に優れた人物はいないだろう。
その接客はもはや芸の域に達し、有名なワサビの歌をはじめ、お客さんを楽しませる術は多岐にわたる。
巷では「ヤッキーは接客だけでもお金が取れる」と言われているが、私個人としても全く異論はない。
それほど素晴らしいディナーショーなのだ。
またおちゃらけているだけのようで、実はヤッキー氏は肉について相当研究してて詳しい。
焼肉屋さんが肉について詳しい」なんて当たり前と考える方が多いかもしれないが、私は焼肉屋さんと話していてこんな風に感じることは滅多にない。
実は裏でとんでもない努力を積み上げてきているということに感動せずにはいられない。
もちろん凄いのは接客だけではない。
ヤッキー自らの絶倫コースに組み込まれる素材は全てが厳選された物だけ。
特にホルモンに関しては、ほんの一握りの一番良いところだけを抜き取ってくれるのだ。
内臓業者から仕入れる段階で厳選しているが、『絶倫コース』に登場するのは、その中でもほんの一握りしか確保できない最上級部分。
宝石のように艶やかな内臓だけが運ばれてくる。
『絶倫コース』は常連さんだけがオーダーでき、そうでない人は横から楽しそうなテーブルを指を咥えながら眺めることしかできない。
私は超のつく常連さんに連れて行ってもらったが、ぜひ常連さんを見つけて連れて行ってもらうことをオススメしたい。

[虎の穴]
東京でホルモンを食べるなら”ゆうじ”と並ぶのが”虎の穴”。
ホルモンの鮮度は勿論、丁寧なカットや味付けで他を寄せ付けない。
またホルモンの火入れは店主・辛さん(兄)の兄弟である辛さん(弟)に並ぶ者はいないかもしれない。
火を入れることで素材に眠った旨みや食感を最大限引き出そうとするそのスタイルは、ホルモン道を極めんとする"虎の穴"らしいもの。
そして、焼肉業界の伝説となっているハラミ。
積み重ねられた経験と知識、そしてホルモンにかける強烈な思い。
流行の焼肉屋さんやホルモン屋さんに行き尽くした人こそ、"虎の穴"へ帰ってみて欲しい。
ただし、ホルモンの火入れを極めし辛さん(弟)が2015年夏に”虎の穴”を離れてしまい、あの匠の火入れで食べることが出来なくなってしまった。
残念だが仕方ない。
しかし、2016年1月、銀座に辛さん(弟)が独立して新たな焼肉屋さんを始めることをお知らせしたい。

[満月]
深い信頼関係から仕入れる抜群のホルモンは、内臓業者に任せず店主・徳山さん自らが下処理を行うことで、脂を適度に残し、抜群の脂の甘みと歯切れの良さを生み出している。
ホルモンだけでなく、正肉への拘りも強い。
聞けば、但馬牛を中心に雌牛のみを仕入れているとのこと。
見事なカットや味付けには様々な工夫がされていて、更に最高の素材をワンランク引き上げる徳山さんの技術が効いている。
満月への訪問はたったの1回。
しかも徳山さんの従姉妹の方にアテンドしてもらったので、通常よりも特別なコースだったのかもしれない。
しかしながら、あれほどの内容であれば、一見で行ったとしても相当な満足度を与えれるに違いない。

☆【自分だけでこの感動を味わっていいのだろうか】
[焼肉酒家 傳々]
これほど人によって好みや評価が分かれるお店は珍しい。
まさに賛否両論。
しかし、”傳々”店主・高矢さんの真髄に一度でも触れれば、その凄みを知ることになる。
肉という素材を通して高矢さんのセンスが随所に光る。
決して最先端ではない。
むしろ最先端でないから良い。
中学生の頃にブラウン管を通して知った、どこか懐かしさを感じゴージャス感。
これが恐ろしく心地よいのだ。
ゴージャスに芸術的な盛り付けがされたお皿の肉はどれもが驚愕の旨さ。
しっかりした肉質とホスピタリティで間違いのない焼肉に出会える。
特にタンとハラミは、都内屈指の仕入れ力ではないだろうか。

[生粋]
焼肉を食べる時の不動のスターターであるユッケが食べれなくなって久しいが、最近では厚生省の許可を取って、正式に生肉を提供してくれるお店が増えてきた。
ところが、価格があまりに高額だったり、食味がかなり劣る生肉が存在するのも事実。
そんな中、驚くほど手頃な価格で最高の生肉を食べれるお店が2014年にオープン。
それが南青山の名店"よろにく"の流れをくむ"生粋"。
"生粋"には、前菜から〆、デザートまでついて5千円という信じられないコースが存在する。
今回はそのコースに少し上乗せをしてオーダーしたのだが、最初は5千円のコースで誰もが満足するだろう。
何度も足を運んで、更なる極みを目指したい人はアレンジをお願いしてみるのもいいだろう。

[金竜山]
焼肉界の最高峰と称される名店。
雪山登頂に例えられるほど見事な霜降りが名物で、カルビ→中カルビ→上カルビ→特上カルビと標高が上がれば上がるほど雪が険しく深くなる。
そして頂上付近の特上ロースのサシはまさにパウダースノーの如し。
部位ごとのメニュー表示が主流となった現在でも“金竜山”の正肉はカルビ(並、中、上、特上)とロース(並、特上)のままなのも潔い。
ただしカルビと言ってもバラはあまり使われておらず、サーロインやザブトンなど、サシの入り具合でその都度提供される部位が変わる。
“金竜山”の魅力は、この見た目の美しい肉だけではない。
むしろ、肉の味を感じ取ろうと舌に意識を集中させれば、肉の味はほとんどなく脂の重さに驚くだろう。
おそらく去勢メインであると思われるが、白米片手に勢いよく食べる分にはそんな事は一切に気にならない。
ニンニクが効いて脂の重さを感じせない魔法のタレの旨さは尋常ではなく、これこそが”金竜山”の命と言っても過言ではない。
また、今ではあまり見かけなくなったノスタルジックな雰囲気とぶっきらぼうながら実は優しいおばちゃんといった要素も、焼肉だからこそ逆に喜んで受け入れられるのだろう。
かつては月一で通っていたが、現在は予約が取りにくくなる一方でついつい間隔が開いてしまうのだが、やはり年に1度くらいはおばちゃんの笑顔を見ながら登頂に臨みたいものだ。

[SATOブリアン 本店]
店名から分かる通りシャトーブリアンをウリにしていて、店主はもちろん佐藤さん。
厚切りのシャトーブリアンを特製のニンニクバター醤油に潜らせ、熱々のご飯に乗せたブリ飯をはじめ、薄切りのシャトーブリアンはタレの味付けですき焼きの様に焼き上がった後は卵に絡めたり、シャトーブリアンのビフカツを挟んだブリカツサンドなど、シャトーブリアンを多彩な楽しみ方で提供してくれる。
扱う牛肉に雌牛や長期肥育といった拘りまではないが、市場で品薄にもかかわらずシャトーブリアンをセレクトした上で十分な量確保し、冷凍などせずに良い状態のままお客さんに提供してくれのだから、旨くないはずがない。
シャトーブリアン以外にもタンやハラミはオススメで、厚切りにしてもらえば至福の時間が約束される。
反対に赤身や霜降りの部位など、シャトーブリアン以外の正肉はやや印象が薄い。
それでも、それら全てを補って余りあるシャトーブリアンという伝家の宝刀があるのが”サトーブリアン”だ。

[静龍苑]
焼肉に限らず料理にとって素材はとにかく大事。
ただ、素材の質云々ごちゃごちゃ言わないで楽しめるとこがあるのが焼肉の面白いところ。
”金竜山”然り、”北京”も然り。
そして、”静龍苑”も相当面白い。
とにかくオススメは中タン塩。
塩、胡椒、ニンニク、胡麻油、課長といった焼肉の定番と言える調味料で味付けされているのだが、その配合が独特なのだろうか、とにかく良い意味で強烈な味付け。
タンは黒タンではなくおそらく輸入物だろうが、根元か少し真ん中よりを使っていて、サシの入った肉色は艶やかなピンク色で美しい。
その美しい肉肌を全身隈なく強烈な下味をつけるのだが、焼くことで溢れ出てくる肉汁が下味とマリアージュすることで生み出される独特の旨さがある。
中タンより上質なタン塩もあるが、正直値段の差ほど味に差はないかもしれない。
また、メニューには載っていないが裏メニューのハラミもオススメなので、勇気を出しておばちゃんにお願いしてみるのもありだ。

[一輪咲いても花は花]
夜のネオンが輝く湯島の路地裏にある”一輪咲いても花は花”、通称”一花”。
店主は“傳々”から独立した井山さん、料理長も”傳々”出身の横関さん。
正肉もホルモンも扱う焼肉屋さんだが、特に推したいのはホルモン。
モノは素晴らしい上に、値段も非常にお手頃。
更に横関さんが日々開発するホルモン料理が抜群に旨い。
TPOで考えるとこんな方には絶対的にオススメ。