No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年1月21日 Cossott'e SP

先日も書いたが2016年1月末で込山さんが"コソット"を離れてしまう。
そんな話を聞いてからというもの、とにかく高頻度で込山さんの元へ通ってしまう。
毎回お任せコースは独創的でセンスが溢れるまくっているのだが、この日は込山さんがオーブンや低温調理を駆使して厨房で全てを仕上げてくれるというスペシャルなお任せで、我々の目の前のロースターには一度も火が付くことはなかった。


シキンボ
言われなければシキンボとは分からないようなふんわりとした食感で、火入れの妙が活きている。

ウチモモ
塊で火入れされて2種類のカットで違いを楽しむ。
世の中で塊で焼いた赤身に人気があるが、このウチモモの旨みは目が覚めるような破壊力がある。


タンのサルシッチャ
適度な噛み応えがあり、奥歯に力を込めた瞬間にサルシッチャの旨さが弾ける。

キムチ

野菜色々

タン
美しいピンクの断面は滑らかで、厚切りはそこにサクサクの食感が加わる。
一番驚くのはタンそのものの味わいの濃さ。


ヒレミミ
筋が入ったり独特の食感があるヒレミミは噛むほどに滋味深い。

エリンギ

シャトーブリアン、ウチモモ、サーロインの手毬寿司
優しく火入れされたシャトーブリアンは艶めかしい色艶を残している。
舌を覆い尽くすほどの甘みと、それすら押しのける旨みがご飯と絶妙なバランスを魅せる。
ウチモモはしっとりとした深み、サーロインの甘みは王者の貫禄がある。
昔のように炙らないで食べれたら、さらに凄かったのだろうか!?



サーロイン
サーロインは薄切りと厚切りの2種類で。
個体の良さが凝縮するサーロインは説得力がある。


サラダ

シャトーブリアン
田村牛のシャトーブリアンのあまりの旨さに言葉を失う。



ヒレカツ
オリーブオイルでカラッと揚げられたシャトーブリアンは、噛んだ瞬間に鼻に抜ける香りが素晴らしい。
衣をアクセントにより際立つ肉本来の旨みは忘れられないほど。







東京の焼肉の世界には古くから知られた山がある。
その圧倒的な霜降りが粉雪のような様から雪山と評される"金竜山"。
また手頃な価格でたっぷりと赤身肉を楽しめる"肉山"も忘れてはならない。
そして突如現れた"込山"という高すぎる山。
残念ながらその山にはもう登れないかもしれない。
しかし幻になろうとも、最高峰の名山の眺めは私の心と舌に刻み込まれた。