No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年1月19日 神戸牛炉釜炭焼ステーキ IDEA 銀座


本当に1番旨い牛肉を食べたいときはどうしたらよいのか?
様々なジャンルを食べ歩く超絶グルメな方にこんな事を聞かれたので、我が肉人生をかけご案内させてもらうことになった。
自分が信じる最高の牛肉を、自分が知る限り最高の環境で、最高の焼き手に委ねる。
当たり前のことのようだが、これを実現することは如何に困難であるか。
料理長・一宮さんと焼き手・菅井さんだからこそ実現したスペシャル過ぎる「本気の和牛会」の全貌をお伝えする。
茶碗蒸し

イチボのカルパッチョ
岡崎さんのイチボはサシがしっかりと入っているのだが、その味わいはスッキリとしていて、赤身の深い味わいが舌の上からダイレクトに広がる。
満足度 5


特選黒毛和牛のタン 厚切り炭火焼ステーキ
何本もの黒タンの中から厳選されたタンの根元。
素材は最高峰なのは間違いない。
だが、素材の凄みだけではなく、炉釜でしか到達できないレベルの焼き上がりで、表面はサックリ、中はプルンプルンで熱がしっかりと入っている。
この火入れによって、タンの味わいと独特の甘みが増幅され、旨みの波状攻撃に襲われる。
満足度 5+


シャトーブリアン
最高の牛肉には最高の楽しみ方がある。
まず聞いて楽しむ。
その個体の情報を知り、自分の中の経験値と照らし合わせることで期待がぐっと高まる。
イチボと同じ岡崎さんの近江牛だ。
そして見て楽しむ。
焼き前はもちろん焼き上がりもだ。
単にサシが入ったキレイなだけの牛肉ではなく、旨みの濃厚さを予感させる肉色や張り等から味わいを想像する。
次に嗅いで楽しむ。
焼き上がった牛肉にナイフを入れた瞬間に周囲を包み込む和牛でしか体験できない芳醇な香りがある。
そして食べて楽しむ。
肉片を口に入れた瞬間にシャトーブリアン特有の繊細さに驚き、奥歯に力を入れると口の中を支配する爆発的な味わい。
クリアな旨みが素材のポテンシャルを存分に教えてくれる。
満足度 5+




サーロイン(福永さん)
“くいしんぼー山中”で食べることのできる福永さんのサーロインを炉釜で焼く。
福永さんの牛肉を知っている人であれば、これがどれだけ贅沢なことは分かるだろう。
セリに1頭も出さない福永さんの牛は、無理にサシを入れる必要が全くなく、ビタミンコントロールを一切行わず、個体のポテンシャルに自然に入ったサシが特徴だ。
そしてそのサシは熱によって肉繊維の隙間に溶け込み、その姿を消すのだが、噛み締めることで再びその存在を教えてくれる。
凝縮した旨みを詰め込んだカプセルのような肉片を頬張れば、その味わいに目の前の景色が変わってしまう。
市場に出回る全ての黒毛和牛とは違ったベクトルを持ちながら、黒毛和牛だからこその味わいを持つ至高の牛肉であることは間違いない。
満足度 5++



サーロイン(勢戸さん)
“あら皮”系列なども食べることが出来る勢戸さんのサーロイン。
福永さんのサーロインと違って、ベクトルは食べ慣れた黒毛和牛のもの。
繊細さがり、赤身の味が深く、見た目のサシからは想像もできない程あっさりとしていながら、上品な脂の甘みが肉全体の旨さを包み込む。
間違いなく最高峰と呼ぶに相応しいもの。
満足度 5++



サーロイン(短角牛)
月齢70ヵ月以上の雌の短角牛。
黒毛和牛とは違った鉄分の旨さ。
今まで食べた短角牛の中でも、初めて”トロワフレーシュ”で食べた時の短角牛と並んで最も旨い個体。
満足度 5



一宮さんと菅井さんのおかげで「本気の和牛会」を実現することが出来た。
そして本物の食材と料理を知る方々に本物の和牛とステーキを知ってもらうことが出来た。
拘りを持ち続ける生産者の本物の和牛に対するファンが少しでも増える様に、今回みたいな「本気の和牛会」がこれからも続けられることを祈る。
[個体情報]
シャトーブリアン、イチボ
生産者:岡崎さん(滋賀県
ブランド:近江牛(純但馬)
個体識別番号:1339092957
性別:雌
月齢:40ヶ月
血統:丸宮土井-福広土井-照長土井
○サーロイン
生産者:福永さん(滋賀県
ブランド:近江牛(純但馬)
個体識別番号:1374827828
性別:雌
月齢:36ヶ月
血統:芳悠土井-鶴山土井-照長土井
○サーロイン
生産者:勢戸さん(兵庫県
ブランド:神戸ビーフ(純但馬)
個体識別番号:1375147093
性別:雌
月齢:32ヶ月
血統:丸宮土井-福広土井-照長土井
※なんと岡崎さんと勢戸さんは同じ血統!