No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年2月15日 vitis ヴィティス

高級ステーキの代名詞である炉窯ステーキ。
その最高峰の1つ”あら皮”系列である” 哥利歐”で研鑽を積んだ職人が、若者で溢れる中目黒という地でオープンさせた炉窯ステーキのお店。
地下にあるお店の扉をくぐれば、オシャレな雰囲気に包まれた空間が広がる。
“ヴィティス”は、職人である店主・結城さんが、一部のセレブを中心に楽しまれてきた炉窯ステーキをより多くの人に食べて知ってもらいたい、という想いから出発したお店である。
12,000円から楽しめるコースは、値段だけ聞けば決して安くないが、その内容を知れば者からすれば驚くほど安い。
昨年後半からは仕入れも変わり、長期肥育の拘りの雌牛だけを扱うようになり、以前と比べて脂の重さがなく、炉窯に最も適したサーロインが食べられる。

この日は3人で訪問したので、群馬県産月齢32ヶ月の雌と北海道産月齢31か月の雌のサーロインを食べ比べる事が出来た。
結城さんが焼き上げたサーロインは、表面が香ばしくクリスピーの様に仕上がっているが、決して焦げたりしておらず、中は綺麗な赤身を見せつけてくれる。
群馬県産の個体は最初は淡白な印象なのだが、3回、4回と噛み進めていくとグングンと旨みが広がり、飲み込む事が勿体無くなってくる。




北海道産の個体は1噛み目から奥歯から歯茎へと旨みが流れ落ちる様に舌まで覆い尽くす。
かといって、脂が口の中で溢れることもない。
味わいに円熟味が増した素晴らしいサーロインだ。




“ヴィティス”ではステーキの旨さはもちろんだが、”あら皮”のDNAを感じさせるスモークサーモンをはじめとした様々な料理もコースに含まれている。
焼肉で和牛の旨さを知った肉好きがステーキデビュー、炉窯デビューするのは最高の空間がここにある。
これだけ素晴らしい素材を扱い、極限まで抑えた価格設定から結城さんの想いの強さが伝わってくる。
ちなみにランチでは6,000円程で炉窯ステーキが食べれるそうだ。
そして肉質は夜と同じとのこと。
あり得ない。。。