No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年4月11日 熟成肉と本格炭火焼肉 又三郎


昨今の牛肉業界ではとにかく熟成肉がもてはやされているいる。
基本的に全く熟成しないフレッシュな状態で牛肉を食べれる機会はほぼなく、程度の差はあれ熟成された牛肉しか食べれないのが現状だ。
熟成肉の定義は非常に曖昧だが、世の中で熟成肉と呼ばれ区別されるのは、熟成特有の香りや味が感じられるほど長期間熟成されたものと言える。
適度な熟成加減は個人の好みに非常に左右されるが、世の中には熟成加減の問題ではなく単なる劣化牛肉の方が圧倒的に多い。
そんなナンチャッテ熟成とは別物の本物と思える熟成肉が食べれるのが”又三郎”だ。
“又三郎”で食べれる熟成肉には、店主・荒井さんの人柄が映し出されている。
過剰なアピールなど一切ない。
ただ荒井さんが旨いと思う熟成肉が等身大で語りかけてくれるのだ。


熟成ブリスケ
薄切りだが程よい熟成香が感じられ、上品な仕上がり。

熟成肉のハンバーグサンド
前菜の盛り合わせの中に入ったハンバーグサンド。
侮るなかれ、これが実に旨い。
熟成云々と言うより、しっかりと牛肉を主張させる調理技術なのかもしれない。


コンソメ
熟成肉の端っこで作ったコンソメで、正直臭みを感じさせるようなイメージを持っていたが、一口飲めばすっきりとした味わいに驚く。
余韻もしっかりと残り、かなりレベルの高いコンソメ

ハラミ
塊のまま目の前で火入れされた後、仕上げに藁焼きで香り付け。
ジューシーで肉の味が濃いハラミ。



褐毛牛のサーロイン
腐敗による臭みではなく正真正銘の熟成香が鼻腔をくすぐる。
サシが入っていても重たさはなく、むしろ軽く感じる程。
肉の味も十分に感じられて旨い。




黒毛和牛のクリ
褐毛牛ほどではないが、熟成香が放たれる。
肉繊維がほぐれてきているのだろうか、抜群の柔らかさがある。