No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年7月15日 Cossott'e sp

焼肉屋さんと話していると、何の職種でも同じかもしれないが人材の充実で悩んでいるお店が多く感じる。
しかし、中には人材の宝庫と思える焼肉屋さんもある。
それが”コソット”だ。
そもそも込山さんがセンスの塊。
“らぼうふ”時代には、肉の捌き方から味付けまで独学で学び超人気店に押し上げ、独立して”コソット”を立ち上げてからはさらに技術に磨きがかけられた。
そんな込山さんの背中を見て、お店のスタッフはめきめきと実力を付けてきた。
弦巻店を任されている茅森さんは、込山さんとはまた違ったスタイルで楽しませてくれ、料理の端々に繊細な拘りが散りばめられている。
また、麻布十番のspを任されている伊藤さんは、経験的には長くないのだが持ち前の研究熱心さですでにお客さんの心と胃袋を鷲掴みにしている。
この日はそんな伊藤さんに全て身を委ねたお任せを。
スペシャル(白)
超薄切りのサーロインは、常温で溶けて無くなってしまいそうなほど。
炙りの定番のメニューは上品な甘みが舌の上を滑っていく。
満足度 5

レバ
鮮度の良いレバは火を入れて旨さを増す。
満足度 4

ヒレ
繊細さはもちろんだが、味の深みは秀逸。
いつまでも続く旨みの余韻を舌が探し続ける。
満足度 5


上タン
サクサクとした食感とジューシーでピュアな肉汁が旨い。
満足度 4

サーロインの羽
脂が多く筋も入った部位だが、脂のイヤなベトベト感がなく肉の味も驚くほど強い。
ニンニク醤油との相性も抜群。
満足度 4


牛すき
伊藤さんオリジナルのすき焼きは、たっぷりの割下でしゃぶしゃぶするタイプ。
割下は煮干しがしっかりと効いていて、割下だけ飲むと濃く感じるが、肉と卵を絡めると見事にベストバランスになっている。
部位はイチボ、ザブトン、サーロインと食べて、最も気に入った部位をお代わりできる。
イチボは赤身の味わい、ザブトンは滑らかな舌触り、そしてサーロインはそのバランスを取っているのだが、お代わりはサーロインの誘惑に勝てず。
満足度 5+





スペシャ
2度目のスペシャルはチーズとキャビアが乗せられている。
オリーブオイルがかけられ、塩分の強さが完璧。
満足度 4

シャトーブリアン
伊藤さんの気迫に応える様に渾身の火入れ。
我ながら完璧すぎると自画自賛
しかし、火入れ以前に、口の中で膨らむコクと旨みは強く、湧き上がる湯気に乗せられた香りも最上級の和牛のそれ。
唇で千切れるほどの柔らかさだが、噛めば儚い食感からは想像も出来ないほど濃厚な旨みを放つ。
満足度 5+




ヒレカツ
伊藤さんが研究しまくったというヒレカツ
その言葉通り、直揚げとは思えない完璧すぎる火入れ。
どうやったらこんな断面に仕上がるのだろうか。
肉に密着した衣が肉を更に旨くしている。
満足度 5+


ハラミ
見た目からして、まず間違いのないハラミ。
臭みのない肉汁は熱々で火傷を伴うが、喉に到達する頃には極上のジュースと化す。
満足度 4

イチボ
すき焼きでも食べたイチボは、甘めのタレと山椒と一緒に。
最近たまに出会うのだが、山椒と和牛のサシとの相性はかなり良い。
もちろん肉自体が素晴らしく旨い。
満足度 4

スネ肉の夏野菜カレー
普段お店で出しているちょっと違う伊藤さんオリジナルのカレーは、食べ進めるうちにスパイスがじわじわと心地良く効いてくる。
柔らかく煮込まれたスネ肉は言わずもがな旨い。
満足度 4

焼きしゃぶ
あれほど旨いサーロインなので、ポン酢で食べても肉の味が消えない。
満足度 5

トウガラシ
レア目で引き上げれば、個体の赤身の味の良し悪しがすぐに分かる。
ネギとのバランスも絶妙。
満足度 4

三角バラ
サシのたっぷり入った三角バラを厚切りで。
一般的に出回っている個体であれば食べれたものではなさそうだが、これがちゃんと旨いのだから驚かされる。
こういった脂質の和牛が増えていくことが、和牛業界に求められていることだと思うのだが。
満足度 4


この日食べた個体は、伊藤さん自ら芝浦に行き、競り落としたもの。
良い個体を見てしまうと、どんなに高くても欲しくなってしまうものだろう。
とにかく素晴らしい個体だった。
ヒレは言わずもがなだが、ロースも旨さと言ったら特筆すべきものがある。
ロースを食べれるのであれば毎日でも通いたいくらいだ。
伊藤さんの熱意による進化がどこまで行くのか、食べ続けることで体感してみたい。