No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2016年8月16日 ジャンボ 白金店

思い込み、先入観というものは自分に損をさせる時がある。
"ジャンボ"の篠崎本店を筆頭に本郷店、はなれ、白金店の4店舗が存在する。
そして、かつて一部の肉好きの間では言われていたのが、白金店よりも本店大将の息子さんである若が仕切っている本郷店やはなれの方が正統派であるということ。
今でもそんな事を考えている肉好きがいるのであれば、今すぐ白金店に行くべきだ。
ただし、前から予約をしておかなくては入ることすら出来ないが。
白金店で食べて感じるのは、篠崎本店の"ジャンボ"イズムを今なお色濃く残し、更に至る所に創意工夫がなされているということ。
最初に出てきたウワミスジの変わり揚げは、サクサクの衣にジューシーなウワミスジが包まれ、肉の旨さが揚げ物として昇華されている。

上タンやハラミは見るものを圧倒する存在感を放ち、焼けばこれ以上ない肉汁を放出する。


ランプはどこか懐かしさを感じさせる旨さ。
おそらく篠崎本店に通い出した頃の雰囲気を残しているのだろう。

とても"ジャンボ"とは思えない華やかさがあるタンの昆布締め。
単に変わったメニューを出しているというのではなく、食感や深い味わい、そしてコースの流れを意識したハイクオリティな1皿。

これ抜きに"ジャンボ"を語ることが出来ない野原焼き。
綺麗に脂が掃除されていて、滑らかな舌触りにサーロイン特有の力強い旨みがある。

ハツの低温ローストは今まで味わったことのない食感。

やっと登場したジャンダレで食べるのはシンシン。
カットとタレが完璧なマッチングで、味の濃いシンシンをワンランク引き上げる。

"ジャンボ"というばミスジも外せない。
他のお店で食べるミスジとはやはり別物の完成度で、模倣ではないオリジナルの強さを感じる。

白金店にしかないセンマイの踊り焼き。
火を入れると鉄板の上で踊るように動き出すセンマイは実に可愛く、食べるのが勿体ないが、その絶妙な歯応えと旨さをしてしまうとお代わりして食べたくなるレベル。

ザクザクとした食感の上ミノと脂の甘みがたまらないシマチョウ。


〆は石焼きガーリックライスとオムライス。


振り返ってみれば1週間で3回目の"ジャンボ"。
それでも全く飽きることないクオリティとアレンジ力。
個々のポテンシャルの高さは当代随一と言える。