No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2008年8月19日 きらく亭

行く度に毎回満足できるお店は、実はそれほど多くないだろう。
牛は生き物ゆえ個体差もあるだろし、常に良いものを仕入れるには目利きもお金も必要になるだろう。
そんな中、行く度に満足できてガッカリした事がないお店の一つがきらく亭。
レバ刺しは臭みもなく、しっかりとした甘みがあって旨い。

旨いレバ刺しを食べながら焼き物を待つのはなかなか楽しい。
まず特選タン塩厚切りが運ばれてきた。
その姿から相変わらず上質なタンであることは疑う余地がない。

焼きの足りないタンほど哀れなものはないので、しっかりと火を通す。
厚切りのタンに前歯を立てるとサクっと心地よい歯応えで噛み切れた。
中からは旨みの肉汁が溢れ出てきて、期待通りの旨さである。

和牛ヒレは毎回見た目も味も素晴らしいものだったが、今回は見た目がちょっと・・・。
ヒレといえども、サシは十分に入っていて欲しいものだが、明らかにサシが少ない。
ただ、焼き上がりの味の方は満足のいくレベルであった。

特上ハラミ厚切りは特選タン塩厚切りと並んで、常にレベルの高い肉質が用意されていて、きらく亭の実力を感じさせるMeatである。
今回も旨みの詰まった上質なハラミであった。
また、今回は塩とタレの両方頼んだが、やはり塩の方がハラミの旨さを感じやすく好みであった。

イチボ厚切りは素晴らしいサシが入っていて、ジューシーで旨い。
上質なお肉と適度な熟成、そして完璧な焼きがあって完成する味わいである。
ちなみにイチボ厚切りはお代わりしてしまった事を付け加えておく。

特選ロース厚切りは、何とも言えない迫力。
かなり厚切りのリブロースやサーロインだが、不思議なことに1枚を短冊状にカットしたものではなく、複数の短冊状にした中から上質なものだけをセレクトしているような一皿だ。
つまり一皿の中のどの肉片もくっつかないのだ。
この迫力のMeatは、その厚切りからは想像できない蕩け具合で、甘みを口の中に残して消えていく。
わさびをたっぷり付けても、それを感じさせない脂に頬が緩む。

最後はお決まりの冷麺で〆たが、こちらも満足のいくレベルであった。
やはり旨い店はいつ来ても旨い。