No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年3月27日 よろにく

焼肉界黒帯認定の中でも最高峰のお店"よろにく"へ。
今回もお任せだが、"よろにく"のすごさの一つが、毎回お任せの中に驚きがあるということだろう。
今回はどんなMeatに出会えるのか。
刺身盛合せは内モモ、サーロイン、ユッケ。
サーロインよりも脂の少ない内モモから食べたが、食べて驚いた。
次に控えているサーロインの存在で、勝手に内モモをあっさりしたお肉だと思い込んでいたが、素晴らしい甘みが口いっぱいに広がる。
この一切れで"よろにく"が黒帯の中でも別格だというのを再認識した。
"よろにく"では初めてのサーロインの刺身。
さきほど内モモで感じた衝撃をまたあっさりと抜き去ってくれる。
甘い脂が蕩けるのだが、その脂が全くしつこくなくて旨い。
これは握りでも食べてみたい。

塩系の焼き物はハツ、タン刺し、タン元2種類(通常のタン元と丸まった一番の根元部分)、肩ロース、イチボ。
タン刺しは量が非常に少なかったので、旨みを感じにくかったのが残念。
個人的な願望では、これでタンユッケを食べてみたい。
通常のタン元はいつもの事ながら感動的な味わい。
この歯応えとジューシーさは唯一無二の存在だ。
丸まった一番の根元部分のタンは通常のタン元とは食感が少し違うのが面白い。
勿論この部分も非常に旨い。
肩ロースはしっかりと熟成された赤身はコクがあり、サシのバランスが良く、旨みが強い。

次の盛り合わせのお皿には驚いた。
塩、塩ダレ、タレの3種類で食べ比べるハラミなのだ。
前歯を立てると千切れた肉繊維から溢れる肉汁が官能的な素晴らしいハラミだ。
3種類どれもハラミの旨さを引き立てられた味付けだが、個人的に好きなのは塩ダレ、塩、タレの順番だろうか。

赤身の甘みが非常に強くてシンシンはさっと炙る程度で食べるのが最高だ。
シンシンで赤身の旨みを堪能した後は、ミスジシャトーブリアン(薄切り)、サーロイン(薄切り)の盛合せが登場。
この盛り合わせの内容は、最近毎回食べているにもかかわらず、毎回衰えることのない感動・衝撃を与えてくれる。
3種類どれもが"よろにく"では外せない極上Meatだ。

続いて、厚切りサーロイン2種類の盛合せ。
モミダレなしのサーロインはそのままポン酢で、モミダレ付のサーロインは細切りの野菜と一緒にポン酢で食べる。
今回のサーロインは特に甘みがいつも以上であった。
厚切りでも口の中で簡単に蕩けるお肉とは、まさにこのサーロインのことだ。

もう少し食べたい旨をVANNEさんに伝えて出してもらったのが、ハツ刺し。
胡麻油の香りが、この時点でも食欲をかき立てる。
臭みなんてあるはずもなく、甘みとハツ独特の歯ざわりが非常に心地よい。

最後に出してもらったのがショートリブ、つまり三角バラの握りだ。
ショートリブの脂の甘みと酢飯と相性が最高で、酢飯によって引き立てられたショートリブの甘さに自然と頬が緩んでしまう。

"よろにく"には何度も行っているが、今回は初めて食べるものも多く、サーロインやタンハラミなど食べ比べもすることができ、新鮮な驚きを与えられた。
ここまで通って、なお衝撃を与えてくれるこの焼肉界黒帯認定の最高峰には感服するのみある。