No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年5月14日 焼肉酒家 傳々

傳々は賛否両論あるお店なのは知っているが、本当に旨いMeatを食べさせてくれる数少ないお店だ。
レバ刺し、ココロ刺し、ミノ刺し、牛刺し、タンユッケといった刺身盛合わせは相変わらず旨い。
特にこの日はココロ刺しの食感と牛刺しの甘さが際立っている。
久しぶりに傳々にきた連れがいたが、刺身盛合わせで、すでに圧倒されている。

刺身盛合わせでテンション上がりまくりに我々の度肝をさらに抜いたのが、厚切りのタン元、ハラミ、シャトーブリアンの塩系の盛合わせ。

厚切りと言うわりには若干薄く感じていた傳々のタン元。
それを今回は厚めでお願いしたのだ。
これほどの厚切りを火力の強い傳々の焼き台でどう焼くのか興味があったが、高矢店長にぬかりはない。
炭を少なめにして、火力の調整をしてから焼き始めた。
強火で旨みを閉じ込め、弱火で中の肉汁を落ち着かせていく。
こういった細かいところが"良いお店"、"良い店主"の証拠だろう。
見るからに極上の厚切りのタン元には、レモンも何もつけずにかぶりつく。
これが想像を遥かに超える旨さ。
これほどジューシーで旨みの強いタンは"よろにく"以外で食べた記憶がない。

ハラミはしっかりとした肉繊維を噛み切るごとに溢れてくる旨みが抜群。
これも傳々では必食だろう。

私がお肉の旨さを一番感じる部位であるシャトーブリアンは、贅沢にもたまり醤油を付けてから焼いてもらった。
これが旨いのなんのって。
恐ろしく繊細な肉繊維からは、赤身の柔らかな甘さと何とも言えない香りを感じる。
まさに"極上"と呼ぶに相応しいMeatである。

最高の正肉を味わった後は、傳々のもう一つの看板であるホルモンに舌鼓をうった。
一皿一気に葱と焼き上げる上ミノ。
脂面だけを強火で焼き上げるホルモン。
トングで支えながら脂側だけを焼くアブシン。
どれもこれも絶品である。
やはり私に中でのホルモンNo.1は傳々をおいて他にない。



いよいよ次はタレである。
盛合わせの内容は内モモ、ロース芯、ハネシタである。
見るからに旨そうなMeat達に興奮が抑えきれない。

じっくりと熟成された内モモは赤身の旨さがしっかりとしており、肉質が柔らかいのだが噛む毎に旨みが出てくる。
何枚でも食べれてしまいそうな魅力が詰まった一切れだ。

サシが強くて一瞬で蕩けてしまいそうなロース芯は、想像とは違った旨さ。
サシがしっかり入っている姿からは想像もできないほど赤身の旨さが強い。
サシは全くしつこくなく、上品な甘さが口に残る。

ハネシタは一枚をくるくる巻いて食べたが、中に空気を含んだMeatはジューシーで脂の甘さも素晴らしい。
私のような霜降り好きには、何物にも代え難いMeatだ。
自分が食べ終わっても、他の人が食べてるのが羨ましくなるほどの旨さである。

あまりの旨さにまだまだ食べたがる私に高矢店長が持ってきてくれたのはツラミと腕。
ツラミは他のお店で食べるよりも若干厚切りに感じるが、硬さはなく、噛み締めると旨みの宝庫だということに気づく。
高矢店長が一番好きだという腕は、さぱりとしており、赤身の旨みを感じるにはもってこいである。


〆はカレー、冷麺、フルーツ盛合わせ、コーヒーと至れり尽くせり。
最初に出させたサラダ、ナムル、キムチといったサイドメニュー含めて、全てが満足だ。
一度はよくないニュースも流れた傳々だが、これほどの極上Meatを食べられる素晴らしいお店である。
傳々の真髄を知らない方がいるのであれば、ぜひ訪問してみて欲しい。
あなたの知らなかった世界があるだろう。