No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2009年9月19日 よろにく

戦後、東京の明月館、大阪の食道園によって現在の焼肉の原型ができたと言われている。
それから60年。
進化を続けてきた焼肉が、よろにくによって、遂に"完成"の域に達しようとしているのはないだろうか。
今回のスタートは握りから。
三角バラの握りは塩で、タテバラの握りは醤油で。
三角バラは口の中で甘さが蕩ける。
個人的には塩より醤油で食べる方が好きかもしれない。
タテバラの甘みは相変わらずの素晴らしさ。
山葵がよく合う。

ユッケも2種類。
カイノミの塩ユッケと内モモの平ユッケ。
塩ユッケの場合、胡麻油がきつくなるお店が多いが、よろにくの場合は胡麻油のきつさなどなく、赤身の旨みが十分に感じられる。
このカイノミは恐ろしく旨いので、タレユッケでも食べてみたかった。
内モモの平ユッケはさすがに旨い。
くにもとの様なこの平ユッケは個人的にかなり好きなのだ。

綺麗なサシの入ったシャトーブリアンは、超弱火でじっくりと火を入れていく。
1切れ目は通常の両面焼き、2切れ目は片面焼きで食べると、味わいの違いがはっきりと分かる。
柔らかで、旨みのしっかりしているシャトーブリアンは、この超弱火で旨さが更に引き立てられるのだろう。

久しぶりに食べたハツは、臭みなどなく、やはり旨い。
軽く炙る程度で食べたが、ハツ刺しとして食べたいレベルだ。

最近色々なお店で見かけるタン筋。
しっかりと塩ダレで揉んであって、これを強めに焼き上げて食べるのが個人的には好きだ。

タン元のピンク色の姿は、なんとも魅惑的だ。
旨みを閉じこめ、中の肉汁に熱を与えていくと、表面のサクサクとした食感と、噛む毎に肉片から漏れる肉汁の旨さに酔いしれる事ができるのだ。
このタンだけでも、間違いなく都内最高峰のレベルだろう。


巻いてあったお肉を広げると、巨大なハラミが登場した。
このハラミがかなりやばい!
隠し包丁などではなく肉繊維自体が非常に柔らかく、それを厚切りで食べるので、歯応えというか歯ざわりが素晴らしく、口に広がる肉汁は旨みの宝庫だ。
ここまで旨いハラミを食べたのは久しぶり。



ここからタレに移行したが、最初は内モモ。
薄切りで食べる事が多い内モモだが、今回は厚切りで隠し包丁がしっかりと入っている為、非常に食べやすく、しっかりと赤身の旨みが感じられる。
なによりジューシーな肉汁と旨みが溢れる感触は素晴らしい。


中落ちは巨大な姿。
こちらは強火で表面が焦げる手前まで焼き上げると、脂の甘みがたまらない。
量はそれほど食べれないが、これぞ焼肉といった醍醐味だ。


毎回見惚れてしまう薄切りタレの盛合せ。

シャトーブリアンは塩で食べるのとは一味違った感動がある。
究極の繊細さを持ったMeatをあのタレで食べるのだ。
贅沢な旨さに感動する。

ミスジはよろにくの定番だが、相変わらず他店を圧倒する旨さ。
ジャンボとよろにく以外で、感動的なミスジに出会ってみたいものだ。

握りでも食べた三角バラは卵の黄身とツケダレをよく馴染ませて食べる。
お肉の味わいというよりは、柔らかさと最高の甘さを堪能する一品だろう。

最後は厚切りのサーロイン。
サシに負けないしっかりとした旨さが赤身部分にあり、さっぱりとポン酢で食べるといくらでも食べれてしまいそうだ。

想像がつかない。
これ以上の焼肉屋さんがあるとは想像できない。
しかし私はよろにくを超えるお店の存在を信じて、新規開拓を続けるしかないのだ。。。