No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

2012年3月15日 ドライエイジングビーフセミナー2012


熟成。
言葉はよく聞くが、その意味を本当に理解している人がどれほどいるのだろか。
そんな私も正直よく分かっていない。
感覚的に知っている部分はあるが、それも不十分だろうし、理論的にもまだまだ足りない部分が多すぎる。
ということで、『焼肉における熟成』について独学で勉強をしている最中なのだが、ちょうど面白そうなセミナーを発見したので参加してきた。
それは日本ドライエイジングビーフ普及協会主催の『ドライエイジングビーフセミナー2012』である。
内容はドライエイジングの本場であるNYの視察ツアー報告、大学の准教授による講演、そして"カルネヤ"の高山さんによるドライエイジングビーフの焼き方の実演と試食というものである。
熟成とは何か、ドライエイジングとは何か、といった核心までの踏み込みは深くなかったので、少し物足りなさもあったが、これもドライエイジングのメカニズムが全て判明しているものではないということであり、奥深さということなのだろう。
高山さんによる焼き方の実演は、普段からイメージを大事にしながら焼く私の感覚にしっくりとはまってくれ、非常に勉強になったと同時に、心強いものであった。

残念だったのが、ホルスタインや黒毛和牛のドライエイジングビーフを食べ比べを行ったのだが、事前に火入れが済んでいる上に、薄切りのカットであるため、噛み応えがあり脂のないホルスタインは熟成特有の風味を感じる事ができたのだが、脂があって、柔らかな黒毛和牛は旨みが感じにくく、風味が弱い。
特に経産の黒毛和牛は、身がボロボロしているように感じてしまう。
これはホルスタインが黒毛和牛よりドライエイジングに向いている、ということではなく、冷めてから薄切りで食べることに向いていない、ということだと思う。
この辺りの食べ比べは、現在計画中の独自の勉強会でしっかりと舌で感覚を掴んでみたい。
前田牧場のホルスタイン(さの萬熟成)
さの萬ホルスタイン
ゼンチクのサーロイン
岡崎経産和牛
マルヨシ商事(黒毛和牛のドライエイジング)のリブロースとシンタマ
飛騨牛シンシン