No Meat, No Life.

横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。

焼ニシュラン【番外編】-2012-

2012年は確かに焼きまくったが、焼肉以外にここまで力を入れたのも初めてだろう。
そんな焼肉以外の肉料理に関して、2012年の最高峰を番外編としてお伝えしたい。
これから私の2012年に感銘を受けたお店を発表するわけだが、これはあくまでも2012年の1年間に限った話であり、どんなに良いお店でも2012年に訪問してなければ載せることはできないし、2012年に訪問していたとしても、その時たまたま普段より感動が薄ければ載せていない、また逆も然り、ということを付け加えたい。
★★★【このお店の存在自体が奇跡だと思う】
[トロワフレーシュ TROIS FLECHE]
"あら皮"から独立し"ドンナチュール"を立ち上げに参加した森地さんが、更に独立して立ち上げたのが"トロワフレーシュ"。
スタイルは"ドンナチュール"に似ているが、選べるお肉の中には短角牛がある。
恥ずかしながら、短角牛をそれほど評価していなかったのだが、この短角牛を食べて、心底恥ずかしくなった。
それほど素晴らしい旨み。
それを引き立てるのも特製の炉釜の威力であろう。
2012年末現在、これを超えるというか、これに近い短角牛は食べたことがない。
更に驚かされるのは黒毛和牛のヒレとサーロイン。
どちらも最初に食べた短角牛の記憶を吹き飛ばす威力。
とにかく焼きの理想型の一つと言える。


[かわむら]
炉釜のステーキを体験するとロースターでの焼きの限界を感じるときがある。
しかし、ヒレの焼きに関しては"かわむら"が日本一という声も多い。
そんな"かわむら"のステーキを7年越しの念願がかなって2012年に体験することができた。
河村さんが炭火のロースターでじっくりと焼き上げるステーキは、どこまでも繊細で素材の持ち味を際立たせる技術の結晶だった。
とにかく"かわむら"でしか味わえないステーキが確かにある。
このステーキを食べた夜は、とにかく感謝の気持ちで満たされた。


★★【あとどれ位通えば、このお店の全てを知ることができるのだろうか】
[西洋料理 島]
河村さん同様に"ゆたか"出身の大島さんの世界が広がる"島"。
いつ行っても最高のステーキが味わえるのは勿論だが、このお店の凄さはそれだけではない。
"ゆたか"と比べると圧倒的に手頃な値段、そして優しい笑顔でリラックスしてお肉に集中できる居心地の良い空間。
行きつけにしたいステーキ屋さんNo.1だ。


★【自分だけであの感動を味わっていいのだろうか】
[横浜 うかい亭]
2012年は焼肉以外の肉料理を勉強する為に、ステーキ、鉄板焼き、すき焼き、しゃぶしゃぶ等、例年以上に色々なお店に行った。
ただ、食べれば食べるほど、炭火で焼き上げるステーキの凄みが身にしみるのだ。
そんな中、唯一炭火焼きステーキ以外で感服させられたのが"うかい亭"の鉄板焼き。
10年以上お世話になっている"うかい亭"だが、数々の焼き手の中でも小池さんは別格と感じてしまう。
毎日味見して焼き加減を調整しているのだろうが、鉄板の上のお肉を一体化しているのかと思わせる焼き加減。
鉄板焼きのステーキの真髄がここにある。

[平]
場末のスナックを彷彿させる店内からは、ここで極上のステーキが食べれるとは想像もできない。
しかし、そこで出されるお肉は、都内の高級店であれば倍以上もするような極上品ばかり。
それを目崎さんが炭火で焼き上げてくれるのだ。
運が良ければ、川岸牧場のお肉に出会える日もある。